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映画への思い・・・ 200395日から20111129    ※それぞれのコメントは、BBC掲示板に、お書きください。

 

201111

 

★DVD観賞「パーマネント野ばら」 20111129

 

 数日前、コミック作家西原理恵子さん原作の「パーマネント野ばら」を観ました。海辺の小さな漁村を舞台に、離婚し一人娘を連れて、美容院を営む母のもとに戻ってきた主人公“なおこ”とそれを取り巻く個性豊かな女性たちをコミカルに、そして哀愁たっぷりに描いた物語です。
 母が営む小さな美容院<パーマネント野ばら>には、町の女たちが集まり、男たちの不満やグチをぶちまけ合う、“なおこ”もそんな美容院を手伝う毎日だった。また“なおこ”には、子ども頃から二人の親友いて、浮気と金遣いの悪い夫を突き放せない“みっちゃん”、ギャンブルに溺れ行方不明の夫を持つ“ともちゃん”と、両方とも男運が悪かった。“なおこ”も高校時代の教師“カシマ”が忘れられなく、一途な恋を育んでいたのだった。
 物語は、子どもの頃の“なおこ”やそれぞれの親友のことをランダムに取り混ぜ、“なおこ”の揺れ動く心を淡々と描き、後半に待っている“なおこ”と“カシマ”の真実のために・・・。
 なかなかストレートに物語として理解するのは、大変ですが、個性あふれる出演者に魅力を感じる映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「父と暮らせば」 2011719

 

 一週間ほど前ですが、いつもの映画会で「父と暮らせば」を観て来ました。井上ひさし原作による名作舞台を映画化したもので、「TOMORROW 明日」「美しい夏キリシマ」に続く黒木和雄監督の“戦争レクイエム三部作”完結編です。舞台ように作られたもので、ほとんど同じ場所で、出演者も少ない映画でした。
 昭和2086日、午前815分、広島に原子爆弾が投下され、一瞬にして多くの命を奪った3年後の広島が舞台です。主人公の美津江は、図書館に勤めるも、愛する人たちを原爆で失い、自分だけが生き残ったことに負い目を感じながらひっそりと暮していた。そんな彼女はある日、図書館で一人の青年、木下と出会う。2人は互いに惹かれるものを感じるが、美津江は“うちはしあわせになってはいけんのじゃ”と自らの恋心を必死で押さえ込んでしまう。見かねた彼女の父・竹造は幽霊となって姿を現わし、“恋の応援団長”を名乗り懸命に娘の心を開かせようとする、そんなお話でした。動きが少なく淡々と描かれていますが、一一つのセリフから読み取れる戦争の悲惨さがひしひしと感じられました。
 なお、主人公・美津江の役は宮沢りえ、そして父親役は個性的俳優の原田芳雄でした。折しも今日、原田芳雄はお亡くなりになりました。黒木和雄監督の作品にも何度が出演され、インパクトのある演技で好きな俳優さんでした。ご冥福をお祈りします。

 

★月に一回の映画観賞「トロッコ」 2011621

 

 今月は、この時期にふさわしい新緑の台湾の山中の小さな村を舞台にした川口浩史監督に「トロッコ」を観て来ました。原作は皆さんご存知の芥川龍之介の不朽の名作『トロッコ』で、そんなトロッコと軌道が残る現代の台湾を舞台に淡々と、そして優しく描かれた映画でした。
 台湾人の父と日本人の母の間に生まれた敦あつし(8歳)と凱かい(6歳)、父を亡くした二人は母・夕美子とともに父の遺灰を故郷台湾へ届けるひと夏の物語です。そんな二人を日本統治時代を過ごし、日本への思い語るおじいちゃんが迎えてくれました。お父さんが大事そうに持っていた古い写真をおじいちゃんに見せると、そこに写っているのは小さい頃のおじいちゃんとトロッコでした。そのトロッコは当時日本へ運ぶタイワンヒノキを運ぶために造られたもので、おじいちゃんにとって憧れの日本へ続く線路でもあったのです。数日後そんな二人は、一人の青年にある決意を胸に憧れのトロッコに乗せてもらった。グングンとスピード上げながら山奥へ進むトロッコ、でも次第に不安になってきた。「もう、帰ると・・・」泣きながら走りだす弟・凱、何とか励ましながら兄・敦は薄暗い軌道を歩き村へ戻るのだった。姿が見えなくなり必死に探す夕美子、やっとの事で戻った二人を待っていたのは優しい母の姿だった。
 お父さんの死の悲しみを胸にしまいこんだ兄・敦、甘えん坊な弟・凱、悲しみを乗り越えて必死に二人を育てようとする母・夕美子、バラバラになりかけた母子が台湾におじいちゃんやその家族に温かく迎えられて、次第に家族の絆と取り戻すのだった。

 

★DVD観賞RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」 201163

 

 久しぶりの映画の感想です。3月にレンタルで借りた映画RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」です。若い頃一人で旅行するのが好きで、電車に乗って色んな所へ行きました。この映画の舞台でもある松江も、そんなところの一つです。
 物語の主人公は、大手電機メーカーに勤める49歳の経営企画室長の筒井肇。ひたすら仕事を優先し、家族の事は妻任せ、そんな50歳を目の前にした時、彼にとって一つの転機が訪れました。妻は長年の夢のハーブショップを開店、娘は就職活動中、そして島根の母が病で倒れる。それを追い打ちするように、会社の同期の親友が事故死。島根に帰郷した彼は、実家で子どもの頃に夢中になって集めた電車の切符を見つけ、家の前を走るバタデンこと一畑電車の運転士になることが夢だったと思いだした。今までの目先のことしか考えず、家族のことも構わず、やりたいことに挑戦しなかった自分の姿に気づいた。その時熱い思いが湧き上がるのだった。そして彼は会社をやめ、一畑電車の運転士になる決意をした。そんな息子の姿に嬉しそうにほほ笑む母、父の姿を頼もしく感じる就職活動に悩む娘、ハーブショップが軌道に乗り始めた妻。それぞれが彼の夢に向かった生きる姿に影響し始めるのだった。
 映画には、島根の田園地帯を走るおもちゃのような2両編成の一畑電車が出て来ます。この物語同様に何とものどかで、心が癒されました。そして50歳、誰もが自分の人生を振り返る時期ですね。なんか身に積まさられるような・・・。

 

★月に一回の映画観賞「オーケストラ!」 2011318

 

 今月の映画会では、名門オーケストラの元天才指揮者が、ひょんなことから昔の仲間を中心にオーケストラを再結成し、かつての栄光を取り戻そうと奮闘する姿をユーモラスに描いた感動音楽ドラマ「オーケストラ!」を観て来ました。
 ロシア、ボリショイ交響楽団で清掃員として働く中年男アンドレイは、30年前まで楽団で天才指揮者と持てはやされ活躍していた。しかし、共産主義の当時、国がユダヤ人排斥の政策を強行、ユダヤ系の演奏家たちも例外なく排斥されることにアンドレイらは反旗を翻し、解雇の憂き目にあった。以来、再起の機会を窺いながらも冴えない現状に甘んじていた。そんなある日、パリの劇場から届いた出演依頼のファックスを目にしたアンドレイは、とんでもない考えを思いつく。それは、彼と同様に落ちぶれてしまったかつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成し、ボリショイ代表として夢のパリ公演を実現させようという突拍子もない計画だった。こうして、タクシー運転手、蚤の市業者、ポルノ映画の効果音担当など、様々な職業で生計を立てていた仲間が集まり、いざパリへと乗り込む一行だが…。ただ、アンドレイには、30年前に果たせなかった一つの事があった。
 映画のラストの15分以上にもわたるオーケストラシーンは圧巻で、感動的でした。辛い時期の今、映画、音楽などは観る人を勇気づくられると、再確認しました。

 

2010

 

★月に一回の映画観賞「ラースと、その彼女」 20101213

 

 今夜、映画会で「ラースと、その彼女」を観て来ました。心優しく内気な青年コーラに初めてできた恋人が、リアルドールだったという、ファンタジーな映画でした。
 小さな町で心優しい青年コーラは、兄ガスと義姉のガリンと同じ敷地内に暮らしていました。でもコーラは、何故か引きこもりがちで、毎日会社と自宅の往復、週末は教会へ行くという日々でした。心配した兄とガリンは食事に誘おうとするが、拒否することが多かった。そんなある日、彼自ら兄の家を訪ね、彼女を紹介すると云う。兄とガリンは喜ぶが、そこに現れたのはリアルドールのビアンカだった。突然のことに心配した兄とガリンは、コーラを病院に連れっていったり、町の人々や教会の人に弟のためにビアンカを受け入れてもらうように頼むのだった。コーラには幼い頃につらい経験があり、人との関わり方が出来ず、また兄ガスも弟への負い目もあったのでした。そんな二人のぎこちない関係を ビアンカが次第になごませてくれるのでした。そしてコーラ自身の心にも変化が・・・。
 ちょっと滑稽な映画でしたが、ビアンカを通じて起きるファンタジーなお話に、思わずニッコリ(*^_^*)。

 

★月に一回の映画観賞「さよなら。いつかわかること」 20101122

 

 久しぶりの映画の感想を書きます。今晩、映画「さよなら。いつかわかりこと」を観て来ました。日本語題名からは、なかなかストーリが想像出来ませんでした。ちょっぴり感動的で、目頭を濡らした映画でした。
 シカゴのホームセンターに勤めるスタンレー・ヒィリップは、12歳のしっかりものの長女ハイディと8歳の甘えた次女ドーンと幸せに暮らしていました。ただ少し違うのは陸軍軍曹の妻がイラクへ単身赴任していることだった。そんな朝、玄関のベルがなり、軍服を着た二人の男が訪ねて来て、悲しい知らせを伝えた。スタンレーは、覚悟していたとはいえ、突然のことに戸惑い、娘たちへ打ち明けることが出来なかった。スタンレーは、学校から帰って来た娘たちを連れて、車で自宅を飛び出し、次女が云った[魔法の庭]という遊園地を目指した。しかしなかなか妻の死を受け止めることが出来なく、心の整理もつかない。でも目的地までの時間を娘たちと過ごすうちに、娘たちとの絆も深め、遊園地の幸せな時間を過ごしと、やっと決意が付くのだった。帰路の途中、海岸で海に向かって座るスタンレーと娘たち、一言一言考えながら、妻の死、母の死を打ち明けるのだった・・・。

 

★月に一回の映画観賞「扉をたたく人」 2010914

 

 昨夜、いつの映画会で「扉をたたく人」を観て来ました。予告篇以外前知識なく観たのですが、なんとも切ない映画でした。
 主人公ウォルターは、妻に先立たれ心を閉ざした大学教授。そんなウォルターは同僚の教授から無理やり頼まれてニューヨークの学会に出席することになった。ニューヨークには、仕事で訪れた時にためにアパートの一室を借りていた。久しぶりに部屋の扉をあけると、そこには見知らぬ男女タレルとゼイナブ。部屋の斡旋業者に騙されたようで、気の毒な彼らの境遇に、ふと思いやりの気持ちが沸き、彼らとの同居生活が始まった。音楽好きだったウォルターは、タレルが奏でる打楽器ジャンベに興味を持ち、教わる内に友情が芽生えて行くのでした。そんな矢先、ちょっとしたことで警察にタレルが逮捕され、不法滞在者として拘置されていまう。そんな時、ミシガンに住むタレルの母モーナが連絡がないのを心配し、アパートに訪ねて来た。その後もウォルターは彼らのために、拘置所を訪ねたり、釈放のために奮闘するが、その先に待っていた悲しい別れ・・・。
 「人類のるつぼ」と云われるニューヨーク、でも2001911日以降その扉を固く閉ざしたしまった。そんなアメリカ人の一人のように見えるウォルター、でもその扉を勇気をもって開けることが大事なんだと感じました。新天地を求めてやって来た人々を受け入れてくれた以前のアメリカのように。

 

★DVD観賞「火天の城」 2010827

 

 昨年公開された時代劇エンタテインメント映画「火天の城」を観ました。織田信長の命を受け、安土城を築城した名もなき宮大工が職人の誇りを懸けて挑む物語を、家族や門下の仲間たちとの人間模様を絡めてドラマティックに描いた作品でした。
 天正四年(1576年)、熱田の宮番匠、岡部又右衛門は、ある日突然織田信長から安土城の築城を命じられる。しかしその後、城造りを指揮する総棟梁になるには、名だたる番匠たちとの指図(図面)争いに勝たなければならない事態に。信長は巨大な吹き抜けという前代未聞の注文を出していたが、指図争いの席で、又右衛門だけがただ一人、確固とした信念のもと、その要望をはねつける。当然のごとく激昂する信長を前にしてもその信念は揺るがず、ついには信長を納得させ総棟梁の座を勝ち取る又右衛門だったが…。
 近くにある滋賀県安土城をCGなどを使った映画で、とても関心がありました。またお城だけでなく、色んな神寺は作らせた人の名前は残りますが、作った人々の名前は残りません。その築城に隠された人間模様にも興味がわきました。

 

★月に一回の映画観賞「グラン・トリノ」 2010825

 

 毎月の映画会で、クリント・イーストウッド主演・監督の「グラン・トリノ」を観て来ました。朝鮮戦争を経験し、長年フォード工場で働き、妻に先立たれた一人の偏屈老人ウォルト・コワルスキー。息子たちに施設で暮らすように勧められるが、頑固として妻と暮らしたこの町を離れようとしませんでした。しかしこの町にも昔馴染みも少なくなり、アジア系移民など外国人であふれていた。お隣さんもアジアからの移民のモン族の家族が住んでいました。ひょうんなことから少年タオを助け、姉のスーと親しくなり、その家族らとも交流を深めていくのでした。特にタオは気弱な性格で、何かと世話をやくようになっていきました。でもその矢先に事件が・・・。ウォルトは「私が余計なことをしたからだと」嘆き、ある決意をするのでした。
 ちょっとセンチメンタルになりそうな映画ですが、こころに残る一作です。ちなみにタイトル「グラン・トリノ」とはフォードの名車の名前でした。

 

★DVD観賞「天使と悪魔」 2010821

 

 今日は、レンタルDVDで「天使と悪魔」を観ました。「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワード監督が、トム・ハンクス主演で贈る“ロバート・ラングドン”シリーズ第2弾。教皇選挙(コンクラーベ)が行われるヴァチカンを舞台に、宗教と科学の数百年にわたる対立の歴史が招いた恐るべき陰謀の阻止に奔走する宗教象徴学者ロバート・ラングドンの活躍をサスペンスフルかつダイナミックに描かれている映画でした。
 たまには、こういうサスペンス・アクションものもいいなあ。「ダ・ヴィンチ・コード」も是非観てみたいです。

 

★DVD観賞「ホノカアボーイ」 2010820

 

 一人の日本人青年がハワイ島の小さな村ホノカアの映画館で映写技師見習いとして過ごした日々を綴った癒し系センチメンタル・ストーリー「ホノカアボーイ」を観ました。 旅行で月の虹を探しに一度訪れたのんびりした時間が流れるハワイ島の北部にあるホノカア村、半年後村唯一の映画館で映写技師の助手として働き始めた青年レオ。彼はある日、イタズラ好きの風変わりな日系人女性ビーさんと出会い、以来レオはビーさんのつくるおいしいゴハンを毎日ごちそうになる。ちょっと偏屈だけど心優しいビーさんとの日々がレオの心をほぐしていく。そんなある日、レオは天真爛漫な女の子マライアと出会い、恋に落ちる。
 美味しいごはん、別れ、悲しみ、恋などいろんな経験をして大人へと成長していくレオ、ウクレレの音楽とハワイ島の美しい景色とともに、淡々と描かれていました。なんだが癒されるとともに、ちょっぴり悲しい映画でした。

 

★テレビ観賞「剣岳 点と記」 2010819

 

 少し前テレビで放映された映画「劒岳 点の記」を録画して観ました。明治40年、古来から針の山として宗教上の理由で登れなく、前代未踏の山として劒岳がありました。日本地図完成のために命をかけて登頂をめざした男たちの物語です。
 陸軍参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎は、日本地図の空白地点をうめるために「劒岳の初登頂をせよ」と命令を受ける。山の案内人宇治長次郎らとともに、登頂と測量を目指すのでした。でもその道のりは険しく、幾度の危険と遭遇しながら成し遂げるのでした。またその背景には当時最先端の装備を備えた日本山岳会との戦いもありました。物語では、山の厳しい自然、山男たちの友情と絆などが、美しい山の映像とともに描かれ、感銘を受けました。結して映画として完成度の高いものではありませんが、素晴らしい映像は前人未到のスケールで素晴らしいです

 

★劇場映画観賞「必死剣鳥刺し」 2010725

 

 今日、久しぶりに映画館で「必死剣鳥刺し」を観て来ました。今まで観た山田洋次監督による「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」の同じ藤沢周平作品とは、一味違ったハードな時代劇でした。隠し剣シリーズの中でも現代に通じる傑作と云われ、仁義と愛慕、武士道と政道、組織と個人、そして男と女の運命の不条理を、一人の剣の達人・兼見左エ門を通して描かれていました。特に最後のシーンは迫力があります。

 

★月に一回の映画観賞「夕凪の街 桜の国」 2010713

 

 昨夜、自主映画会で「夕凪の街 桜の国」を観て来ました。昭和33年の広島の夏、平成19年の東京の夏、それぞれの主人公の平野皆美と石川七波がふたつの時代を生きた物語でした。
 昭和33年原爆投下の日から13年経過した広島は、復興が進んでした。でもそこで生きる人々の心や体の傷は、癒されることはありません。川沿いの家で、母と二人で細々と暮らす主人公の平野皆美も同じで、原爆で死んだ父や妹のことを片時も忘れずにいた。また疎開先の叔母の家で生き延びた弟のことも・・・。仕事場の同僚の男性(打越豊)から優しく声をかけられても、生き延びた自分に負い目を感じ、拒絶するのだった。そんな皆美の体は、突然原爆症に襲われ短い人生を終える。
 平成19年皆美が26歳の若さで去ってから半世紀、退職した父と医者の弟と暮らす石川七波は、ある夜外出する父の事が気になり、追っていくと父は長距離バスに乗る。七波も偶然会った同級生の利根東子の助けを得て、追いかけると、その行先は広島だった。その行先を追う内に、それが父にとって亡き母や姉への思いめぐらす心の旅であると感じる。そして七波自身にとっても自分のルーツを探る時間となった。子どもころ一緒に暮らした祖母(平野フジミ)、父の姉で若くして死んだ叔母(平野皆美)、叔母と同じく子どもころ原爆に会い亡くなっていた母、そして皆美の弟が父、これが七波のルーツだった。
 こんな二つの物語は、時として交差し、優しくそして悲しみを込めて描かれていました。印象に残る皆美のセリフ 「うちはこの世におってもええじゃろうか?」 「原爆は落ちたのでない、落とされたんじゃ」・・・。

 

★月に一回の映画観賞「ブロードウェイ・ブロードウゥイ〜コーラスラインにかける夢」 2010617

 

 雨の日曜日、月に一回の映画会で「ブロードウェイ・ブロードウェイ〜コーラスラインにかける夢」を観て来ました。1985年、ダンサーのオーディションを舞台上で再現したブロードウェイのヒット・ミュージカル「コーラスライン」、そして完全映画化もされました。今回は、2006年再公演される「コーラスライン」のオーデションと再公演にかけるスタッフとダンサーたちのドキメント映画でした。スタッフたちからは、コメントから再演への思い、そしてオーデションに集まったダンサーたちからは未来への夢や希望、それぞれが画面からひしひしと伝わってきました。

 

★月に一回の映画観賞「ディア・ドクター」 2010517

 

 今日は、過疎が進む小さな村で、村人から信頼され慕われていた一人の医師を巡って巻き起こる騒動を、ちょっとユーモラスに描いた異色のドラマ「ディア・ドクター」を観て来ました。山間の小さな村から一人の医者・伊野始が失踪した。警察が来て捜査を始めるが、村人たちは誰一人として素性を知らなかった。数年前に長らく無医村だったこの地に着任して以来、村人から絶大な信頼を受けていた。そんな彼のもとに東京の医大を卒業した青年研修医相馬がやって来た。最初はへき地の厳しい現実に戸惑い困惑する相馬だったが、看護師の大竹とともに日々の診断、薬の処方からボランティアの訪問健康診断まで一手に引き受け、村人たちを親身になって、献身的に接する伊野の姿に次第に共感を覚え、自身の日々の生活にも充実感を持ち始めていった。そんなある日一人暮らしの未亡人かづ子を診療することになった。かづ子は都会で暮らす医師の娘に気遣い、「先生、一緒に嘘、ついてくださいよ」と病気を知られたくないと頼んだ。しかし、それを引き受けたばかりに、彼は次第に追い込まれていくことになった。彼自身がひた隠しにしてきた、ずっと言うことができなかった一つの嘘が明らかに…。
 現在の医療制度の現実と矛盾に鋭く斬り込んだ映画ですが、ユーモラスな映画でありながら何か切なくもありました。以前レンタルDVDで観ていたが、やはり大きなスクリーンで観ると、ちょっと違った印象も受けました。

 

★DVD観賞「キサラギ」 2010430

 

 笑いと感動のハートフル・サスペンス・コメディ「キサラギ」を観ました。以前から見てみたかった映画で、一つの部屋で展開される室内劇です。
 マイナーなグラビアアイドル、如月ミキが焼身自殺を遂げてから1年が過ぎた。彼女のファンサイトでは一周忌のオフ会を開催することになり、ファンサイト管理人の家元の呼び掛けに、サイトの常連、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘という男たちが集まった。初めて直に顔を合わせた彼らは、ミキの思い出に浸り、自慢(オタク)話で盛り上がる。明るかったミキが自殺するなんてと釈然としない気持ちを持ち続けていた5人。そしてオダ・ユージの“彼女は殺されたんだ”という発言を切っ掛けにに、彼らはミキの死の真相を巡って推理を展開していき、次から次へと思わぬ展開がくる返される。テンポのいい交わされるコミカルな会話に思わず苦笑い・・・楽しい映画でした。

 

★読売名画鑑賞で60歳のラブレター」を 2010420

 

 ちょっと題名が気になったので、昨夜観て来ました。2000年から毎年行われている人気応募企画に寄せられた“60歳のラブレター”をヒントに、人生の節目を迎えた3組の夫婦の愛と人生を描いた感動ドラマ60歳のラブレター」です。 
 仕事一筋で家庭を顧みず、挙げ句に若い愛人までつくって好き放題の孝平と専業主婦で家族に尽くしてきたちひろは、孝平の定年を機に、離婚を決意する。魚屋を営む正彦と光江は、口げんかが夫婦の潤滑油。正彦の糖尿が見つかってからというもの、光江は食事療法にウォーキングと、正彦の健康管理に気を配る日々だったが…。5年前に妻を亡くし、高校受験を控える娘と2人暮らしの医師、静夫。海外小説の医療監修を依頼された彼は、そこで出会った翻訳家の麗子といつしか恋に落ちるが…。こんな三組の元夫婦、夫婦、そして熟年カップルが抱える問題を軽妙なタッチで描いた物語でした。
 この年代は人たちは、高度成長とともに人生を過ごしてきました。結して後ろを振り向くこともなく、
歩んで来ました。それゆえに何か積み残してきたものがあるのかも知れません。それがある切っ掛けで、夫婦や男女の歯車がかみ合わなくなるのでしょう。でも人間、幾つになっても恋していいです。なんかこの映画から勇気をもらいました。ちなみは私は、この映画の年代のほんの少し下です。

 

★月に一回の映画観賞「人生に乾杯!」 2010420

 

 一週間前にいつもの自主映画会で「人生に乾杯!」というハンガリー映画を観ました。年金暮らしの老夫婦が、無情にも困窮に追い込まれた末、ついには国家に反旗を翻して紳士的な強盗を重ねていく奇妙な逃避行の行方を描く、ちょっとほのぼのとするが切ない映画でした。
  ヨーロッパの小国ハンガリー。社会主義国だった1950年代に運命的に出会い、身分の差を乗り越えて結ばれたエミルとヘディ。それから幾年月が経ち、いまでは81歳と70歳の老夫婦。世の中もすっかり様変わりし、年金だけでは生活が立ち行かず、借金の取り立てに追われる毎日だった。そんなある日、愛車と本のコレクションとともに、二人の出会いのきっかけとなったヘディの大切なダイヤのイヤリングまで借金のカタに取られる事態に。あまりにも高齢者に冷たい世の中への怒りと自らの亭主関白であった反省から、エミルは年代物の愛車チャイカに乗り込むと一人郵便局へと出向き、ついに強盗を決行。最初は当惑気味のヘディもやがて夫と合流、ふたりは手を取り合って逃避行へと繰り出すというお話です。 やがて警察から追われる二人ですが、今まで黙っていた他の高齢者も立ち上がり、彼らの行動を支持する意見さえですことに。そして彼ら二人が目指す目的地には、30年前の二人にとっての悲劇が隠されていたのです。果たしてその結末は?
 すべての人が迎える老後、健康、生活などなど不安があります。確かに彼らが取った行動は正しくないかも知れませんが、その気持ちは十分理解でき、何か心にじんわりと残る映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「蟹工船」 2010318

 

 月曜日いつもの自主映画会で「蟹工船」を観て来ました。原作は1929年小林多喜二のプロレタリア小説で、映画化は1953年にされました。今回の映画は、世界的不況の現代社会を背景に新たに作られた映画です。
 カムチャツカ沖で蟹を採り、船上で缶詰め加工をする蟹工船「博光丸」、そこで働く出稼ぎ労働者たちにはそれぞれに不幸な生い立ちがありました。そして彼らを安い賃金で働かせ、過酷な労働をさせる監督浅川は、彼らを人間扱いをしない。そんな労働者たちはつらい仕事が終わると、自慢げに生まれながらの不幸の境遇を語り合うのであった。でも一人の労働者、新庄の言葉がきっかけに、他の労働者の心の中にも感じるものが芽生え始めるのでした・・・。
 けして明るい物語ではありませんが、映画の中に出てくるセリフの一つ一つが素晴らしいです。そしてこの映画を観て、今のつらい世の中に何か希望が見えたような気がしました。

 

★月に一回の映画観賞「休暇」 2010219

 

 少し書くのが遅くなりましたが、死刑に立ち会う一人の刑務官を主人公にした、命の重さと人が生きていくことの意味を静かに問う人間ドラマ「休暇」を月曜日夜に観てきました。
 ベテランで物静かな刑務官平井はこれまで独身のままだったが、子連れの未亡人・美香と結婚することに。しかし、連れ子の達哉と打ち解けた関係が築けないまま挙式の日が迫る。新婚旅行がきっかけになればと思ったが、あいにく母親の死の際に有給を使い果たしてしまっていた。そんな時、死刑囚・金田の刑が2日後に執行されることが決定する。死刑執行の際、“支え役”を務めた刑務官には1週間の特別休暇が与えられることを知った平井は、周囲の気遣いをよそに自らその支え役に名乗りを挙げるのだったが…。小さな幸せを望む刑務官平井、生きる希望さえ閉ざされ死との恐怖に毎日を送る金田死刑囚、この二人の間には日常会話さえ許されません。でも何故かお互いに心が通じ会っているようでした。
 何とも重いテーマの映画でしたが、普段見る機会のない刑務官、それも死刑囚と立ち向かい刑務官の仕事、こんなにつらい内容とは知りませんでした。でも今の法制度の下では誰かが行わなくてはならない現実があります。

 

★劇場映画観賞「AVATAR」 201022

 

 数日前、今話題の3DのSF映画「AVATAR」を観てきました。映画館へ着くなり、ビックリ!入口には上映前から沢山の人で混雑、久しぶりにこんな光景見ました。席に着く前の入り口で3Dグラスは渡されました。少しフレームが固めで長時間かけているのは、つらいかも知れませんね。それにサイズも均一だし、今後改良の余地があります。
 西暦2154年、戦闘で負傷し車椅子生活になった主人公ジェイクは、亡くなった双子の兄に代わりに地球から5光年離れた衛星パンドラで任務に着くことになりました。パンドラには地球のエネルギー危機を解決する鉱物アンオブタニウムがあり、その採掘をめぐってのお話です。そしてそのパンドラには、地球人に似たナヴィが住んでいました。彼らには特殊な能力があり、自然と融合して暮らしていました。そんな彼の中に入り、鉱物を確保するための円満解決を行う”アバダー・プロジェクト”を推進するのが、ジェイクの任務でした。そのために地球人とナヴィのDNAの遺伝子操作によって作り出したハイブリット肉体に、特殊な装置でジェイクは遠隔操作し、ナヴィの世界に入っていくのでした。でもそこに待っていたのは、隠された計画だったのです。その結末は、皆さん劇場で・・・。
 この映画を観て、何か以前観た映画と同じ匂いを感じました。それは、宮崎アニメの「もののけ姫」です。これはまさに偉大な自然と愚かな人間のお話です。そして3D映像の綺麗な画像、是非劇場でご覧になってください。

 

★読売名画鑑賞で「歩いても歩いても」を 2010122

 

 昨夜、いつもの読売名画鑑賞の映画会で、長男の命日のために、老いた両親に家に久々に顔を揃えたある一家の一日をスケッチしたホロ苦くも温かな家族物語「歩いても歩いても」 を観てきました。
 開業医だった横山恭平は、すでに引退してとし子と高台の家で暮らしていた。夏のある日、久々に子どもたちがそれぞれの家族を連れて帰郷した。その日は、15年前に亡くなった長男の命日だったのだ。次男の良多は、もともと父とそりが合わなかった上、子連れのゆかりと再婚しての渋々の帰郷。両親が今だ長男の死を受け止めきれずにいることが、良多の心をますます重くしていた。何気なく明るくにふるまう母は、心の奥に長男の死を受け止められなかった。そんな両親と弟の間に入り、いつも陽気でソツのない長女のちなみは、家の中に軽い空気を持ち込むが…。
 なにげない会話の積み重ねを通して、家族ゆえのわだかまりやいたわりといったない交ぜの感情を抱える登場人物の揺れ動く心の機微を、ユーモアを織り込みつつ辛辣かつ温かな眼差しで繊細に描かれていました。親と子どもの関係は、幾つになっても変わらなく、その愛情の深さを感じました。

 

2009

 

★読売名画鑑賞で「陰日向に咲く」を 20091224

 

 少し遅くなりましたが、18日に観た「陰日向に咲く」の感想を書きます。
 一大ベストセラーとなった人気お笑い芸人・劇団ひとりの同名連作短編集を原作に、東京の片隅で思い通りにならない冴えない人生を送りながらも懸命に生きる人々の姿を、一組の男女の出会いを軸に、ユーモアを織り交ぜ優しい眼差しで綴るハートフル群像ドラマ。
 大型台風が接近中の東京。ギャンブルから足が洗えず、借金まみれの末に、ついにオレオレ詐欺に手を染める青年、観光バスの運転手シンヤ。若かりし頃に売れない芸人・雷太に恋した母・鳴子の姿を追う女性、寿子。25歳の崖っぷちアイドル・みゃーこと、彼女を一途に応援するアキバ系アイドルオタクのゆうすけ。大ボラ吹きのカリスマ・ホームレス“モーゼ”に心酔し、人生を投げ出しダンボール生活を始めたエリートサラリーマン、リュウタロウ。一見、無関係な彼らの人生が、台風の接近と共に不思議な縁に導かれるように次第に交錯していく…。
 映画は彼らの今の姿や過去の姿を交互に描かれ、少しわかりずらいですが、次第に彼らの人生が交錯するにつれ、面白なっていきます。そして人の優しさや弱さが描かれていました。

 

★月に一回の映画観賞「ヤング@ハート」 20091216

 

 今回の映画は、ロックを歌う平均年齢80歳のコーラス隊“ヤング@ハート”の活動を追った感動ドキュメンタリー「ヤング@ハート」でした。。1982年にアメリカ・マサチューセッツ州の小さな町で誕生して以来、指揮者のボブ・シルマンに率いられ、ロックンロールなパフォーマンスで、全米のみならずヨーロッパでもツアーを成功させてきたヤング@ハート。本作は、そんな彼らが6週間後に迫った年1回のコンサートに向けて練習を重ねる日々に密着し、老いや死の問題に直面しながらも歌うことに情熱を注ぐ彼らの姿、若い心とロックな気概を持ち続けて元気に生きる姿を映し出していきます。
 花形スターでロンドン生まれの92歳のアンリーン・ホール、ガンで3回も手術をした83歳ジョー・ベノアは頑固で歌好き、音程がとれず指揮者ボブに怒られてもめげず頑張る76歳のスタン・ゴールドマンなど個性豊かな面々、そして練習の最中にもメンバーの二人が相次いで亡くなるという現実。でも彼らはそんなことにはめげず歌い続ける、歌うことが生きるということだから…。けしてうまいと云えませんが、そんな彼らが歌う歌声は、観客そして映画を観るものに感動を与えてくれます。本当に心が温まる映画でした。

 

★読売名画鑑賞で「石内尋常高等小学校 花は散れども」を  20091127

 

 二三日前、名画鑑賞会で「石内尋常高等小学校 花は散れども」を観てきました。昨年公開された、日本最高齢の映画監督、新藤兼人の作品で、故郷広島での少年時代から、シナリオライターとして自立するまでを描いた自伝的な作品です。“生徒と教師”“恩師と教え子”をテーマにしながら、新藤監督が生涯描き続けてきた“生の根源は性“戦争と平和”といったメッセージが随所に込められています。

 広島県の山の中にある石内尋常高等小学校。ちょっと破天荒な市川先生は、授業中居眠りした生徒がいても、田植えの手伝いをしていた事が分かると自ら反省し謝る。修学旅行先でも、他人に田舎者と罵倒されると喧嘩したりと。そんな教え子の中で良人、三吉、みどりは大の仲良し。そして良人とみどりはお互いに淡い恋心を持ち、そんな二人を三吉は優しく見守っていた。でもある日、良人の家が破産し、村を去っていく。
 30年後。良人は東京で売れない脚本家となっていた。村の収入役となった三吉が、旅館の女将になっていたみどりが中心になり、市川先生の定年祝いにかつてのクラスメイトを招集する。その日集まったクラスメイトは16人、それぞれの自己紹介の時に今までの人生を語り合う。戦争で夫を亡くしたこと、広島の原爆で被爆したこと、など・・・。その後、市川先生は病に伏し、歩くことや話すことが不自由になる。その時も三人は駆け付け励まし続けました。
 この映画を観て、恩師と教え子の関係が薄れてきた今、その大切さを感じました。また人を好きになる大切さも・・・。

 

★月に一回の映画観賞「そして、私たちは愛に帰る」 20091118

 

 今回は、ドイツ・トルコ映画「そして、私たちは愛に帰る」を観てきました。トルコ移民の父と息子、ドイツの母と娘、そしてトルコの母と娘の三組の親子を主人公にした親子愛についての映画でした。
 トルコ移民としてドイツに暮らす父アリは、男手ひとつで息子を大学教授へと、りっぱに育てたと誇りに思っていた。そんな時、街角で一人のトルコ人娼婦イェテルと出会い、余生を過ごし伴侶として迎える。しかし不幸にも些細なことから彼女をあやめてします。息子ネジャットは、そんな父を許せない、せめて「トルコに一人残してきた娘アイテンに会いたい」というイェテルの願いを叶えるために一人トルコ(イスタンブール)へ向かう。
 その一方、娘アイテンはトルコで反政府運動にかかわり、トルコから脱出しドイツへ。アイテンはドイツ人学生ロッテと知り合い、二人は惹かれあうが、そんな二人の関係をよく思わないロッテの母スザンヌ。やがてアイテンは不法残留者としてトルコへ強制送還される。ロッテはアイテンを追ってトルコ(イスタンブール)へ旅立つ。そして偶然にもロッテは、トルコにとどまり本屋をしながらアイテンを探すネジャットと出会い、彼の家に間借りする。やがてロッテは、何とか獄中のアイテンと会うことが出来るが、その矢先街角でアクシデントに巻き込まれ不慮の死を・・・。
 やがて娘ロッテの事故死を聞き、トルコへ向かう母スザンヌ。娘の近況を知りたく、間借りしていた家主のネジャットと会う。幼くして母と死別したネジャットは、娼婦のイェテルとドイツ人母スザンヌの子どもへの無償の愛に触れ、許せなかった父アリを思いだし、父のもとへ車を走らす。その時スザンヌは獄中のアイテンのもとに・・・。父のもとに辿り着いたネジャット、釣りに出かけた父を待ち、一人浜辺たたずむ。そしてエンディングへと・・・・トルコの悲しげな歌が流れる・・・。
 この映画の描き方は、いくつも話が交互に描かれ、少しわかりにくかったです。でもその話が少しづつつながり、やがて一本の話(親子間の絆と愛)になる。感動しました。この映画から、運命をあるがままに受け入れ、許すこと、愛することの大切さを知りました。

 

★月に一回の映画観賞「ジョニーは戦場へ行った」 20091015

 

 今回は、1973年に日本で公開された不屈の作家ドルトン・トランボの不滅の反戦映画「ジョニーは戦場へ行った」johnny got his gun.を観てきました。物語の背景は第一次大戦ですが、この映画作られた当時はベトナム戦争の時代でした。
 映画の内容は、自ら志願して戦場へ行った一人のアメリカ人青年ジョニーが一つの爆弾によって、触ることも聞くことも話すこともそして歩くことも出来ない肉の塊になって病院に運ばれてきます。辛うじて脳と中枢神経がダメージを受けず、意識があった。でもそのことを周りの人に伝えるすべがなかったのでした。彼はそんな暗黒の世界の中で、回想と妄想そして現実と繰り返し、頭の中で自分と会話し始めます。そんな時、彼の存在をひたすら隠した病院で、窓を開けて太陽の光を感じさせてくれた婦長、献身的に彼との交信を試みた若い看護婦など、彼は希望を見出し生きようとする。しかし「見世物でもいいから、外へ出たい」という小さな希望も、軍医たちによって打ちのめされ、彼の最後の望み「殺してくれ」ということさえ、かないません。自らの手で死ぬことも出来ず、歩いて逃げることも出来ず、そして自らの口で訴えることも叶わぬ現実。次第にスクリーンが暗くなり、「help me」「SOS,SOS」と彼の叫びとともの・・・。
 悲しくも戦争の現実に心が締め付けられるようなエンディングでした。けして華やかな映画ではありませんが、心に永遠に残る作品の一つでした。

 

★劇場映画観賞20世紀少年 −最終章―ぼくらの旗」 20091013

 

 昨年秋に第1章からスタートした20世紀少年」、いよいよ最終章です。第2章で死から復活し神となり、「世界大統領」となった“ともだち”が、世界を支配する“ともだち歴3年”(西暦2017年)。殺人ウイルスが蔓延した東京はそびえたつ壁に包囲され、都民の行動は完全に制限されていた。そして“ともだち”は「820日正午、人類は宇宙人に滅ぼされる。私を信じるものだけが救われる」と声明を発表。それは、その日時に新たな殺人ウイルスがばらまかれることを意味していた…。一方、ヨシツネ率いる反政府組織“ゲンジ一派”、武装蜂起を訴えるカンナ率いる強硬派“氷の女王一派”、そしてユキジとオッチョらは、それぞれ人類滅亡を回避する方法を水面下で模索していた。

 今回は、血のおおみそか事件から、ケンヂは何故行方不明だったのか? ケンヂの姉でカンナの母・キリコは今どこで何を? そして“ともだち”とは、いったい誰なのか…!? のすべての謎が明かされ、そして第1章から積み重ねられてきたエピソードが次々と繋がっていく。でも最後の最後まで”ともだち”の顔が見えそうで見られません。ハラハラドキドキの2時間半です。そしてエンドロール後に10分間のスペシャル映像、ここで本当の”ともだち”の正体が明かされます。
 おまけ:劇場で売っているパンフレットにも一工夫がしてあります。劇場で買うとわかるよ!(*^_^*

 

★劇場映画観賞「プール」 2009105

 

 脚本家で監督の大森美香が描く、タイのチェンマイを舞台に、プールがあるゲストハウスに集った5人の6日間の物語「プール」を観てきました。
 祖母と娘を日本に残し4年前に家を飛び出した母・京子は、日本人オーナー菊子のゲストハウスで働き、日本人青年・市尾とタイの少年ピーらと楽しく暮らしていた。そんな京子のもとに大学卒業前に娘・さよが訪ねて来ます。木々に囲まれ、野鳥の声がこだまし、とても居心地よさそうなゲストハウスには、庭に水が張られた小さなプールがありました。さよが泊るゲストハウスの近くにそれぞれ住まいを持つ京子、菊子、市尾とピーたちは、プールの周り集まり過ごします。最初、さよは居心地が悪く、母にも心を閉ざしていたが、次第に皆の気さくさとゲストハウスの居心地の良さに心を開いていくのでした。
 ゆったりと流れる物語と野鳥などのナチュラルサウンド、美しいタイ・チェンマイの町、心が癒される映画でした。

 

★読売名画鑑賞で「築地 魚河岸三丁目」を 2009919

 

 人気コミックを実写映画化した人情ドラマ「築地 魚河岸三代目」を観てきました。東京築地市場を舞台に、ひょんなことから魚河岸の世界へ飛び込んだ元サラリーマンが、二つの恋物語と多彩な人間模様を加え、悪戦苦闘しながら成長していく姿を描いた物語です。
 都内の総合商社に勤める主人公・赤木旬太郎は、若くして人事部長に抜擢されるなどエリート街道を歩み、将来結婚を約束した装飾デザイナーの恋人・明日香と、順風満帆な人生を送っていた。そんな彼は、ある未明に自転車で築地市場へ向かう明日香の姿を目撃する。なんと彼女は、築地市場の仲卸の名店“魚辰”の二代目店主・徳三郎の一人娘だったのだ。そして旬太郎は、体調不良で入院する父の代わりに切り盛りする明日香をサポートしたい一心で自ら手伝うことになる。でもこの業界ではど素人のうえ、何も役に立てず打ちのめされる。だが同時に人情味溢れる世界に清々しさを覚える旬太郎だった。一方、社内ではリストラの陣頭指揮を任されるなど、会社の意思に従う働き方に疑問を感じ始める。そして旬太郎は一大決心し、会社を辞め、退院した徳三郎に魚辰で働くことを願い出るのだった。果たして旬太郎と明日香の運命は、そしてもう一つの恋の行方は・・・。
 なかなか清々しい物語で、時折コミカルな場面もあり、面白かったです。松竹映画も「釣りバカ日誌」が終わったので、この映画がシリーズ化されればいいなあ!と思いました。

 

★月に一回の映画観賞「この自由な世界で」 2009827

 

 英国の名匠ケン・ローチ監督が、自由化が進み、ますます追いつめられていくロンドンの労働者事情と移民問題をテーマに描く社会派ドラマ「この自由な世界で」を観てきました。
一人息子のジェイミーを両親に預け、職業紹介所で働くシングルマザーのアンジーは、ある日突然解雇されてしまう。そこで彼女は、労働者として使われることに限界を感じ、ルームメイトのローズを誘って、自ら職業斡旋の仕事に乗り出すことに。行きつけのパブの裏庭を集合場所に、外国人労働者の斡旋業をスタートさせたアンジーだったが、ある時、不法移民を働かせるほうが儲かると知り、気持ちが大きく揺れてしまう…。一生懸命ゆえに次第にモラルを踏み外していくアンジー。競争によってより大きな利益を追う現代社会や移民労働者の問題をシリアスに描いた映画でした。

 

★読売名画鑑賞で「幸福な食卓」を 2009821日」

 

 今日は、さまざまな問題を抱え崩壊寸前の家族、その中で悩み傷つきながらも成長していく思春期の娘の目を通して再生の道のりを優しいタッチで描き出す「幸福な食卓」を観てきました。
 主人公は中学3年生の中原佐和子、教師の父、専業主婦の母、秀才の兄との4人家族。ごく平穏な家庭に見えた中原家は、3年前の父の自殺未遂をきっかけに少しずつ歯車が狂い始めていた。成績優秀な兄は大学進学を拒否して農業に精を出し、母は家を出て近所で一人暮らしを始める。それでも家族は毎朝の食卓を囲み、淡々と日常を送っていた。そんなある日、朝食の席で父が突然“今日で父さんを辞めようと思う”と宣言、家族の中に新たな波風が立ち始める。そして父は急に再度大学受験をすると言い出し、兄には新たな恋人が出現、母は相変わらずマイペースと時は流れていきます。そんな中で佐和子の前に陽気な転校生・大浦勉強が現れ、強引なペースに引っ張られながら次第に絆を深めていくのだが…。やがて佐和子も大浦勉強と一緒に高校生になり、バラバラな家族間にも穏やかな時が流れて行きます。でもその先に待っていた悲しい現実。
 あっけらかんとした性格の兄の恋人のセリフが印象的でした。「恋人や友達は努力すれば、いくらでも作れる。でも家族はダメ。近くにいればわからないけれど、少し離れたところから見れば、大切さがわかる」。この映画を観て、家族で食卓を囲むシーンを懐かしく思い出しました。我が家では子どもたちも独立や大きくなりました。いいなあ〜。

 

★劇場映画観賞「サマーウォーズ」 2009810

 

 一人の気弱な理系少年の思いも寄らぬ、ひと夏の大冒険を描くSF青春アドベンチャーのアニメ映画「サマーウォーズ」を観てきました。
 仮想都市OZ(オズ)が人々の日常生活に深く浸透している近未来のお話です。主人公小磯健二は天才的な数学の能力を持ちながらも内気で人付き合いが苦手な高校2年生、憧れの先輩、夏希から夏休みのアルバイトを頼まれて彼女の田舎、長野県の上田市を訪れます。そこに待っていたのは、夏希の親戚家族“陣内(じんのうち)家”の個性溢れる面々。この日は、夏希の曾祖母で一族を束ねる肝っ玉おばあちゃん、栄の90歳の誕生日を祝う集会が盛大に行われていた。その席で健二は夏希のフィアンセのフリをする、というバイトの中身を知ることに。そんな大役に困惑し振り回される傍ら、その夜健二は謎の数字が書かれたケータイ・メールを受信する。理系魂を刺激され、その解読に夢中になる健二、答えを解き送信・・・。そしてその朝目覚めると、とんでもない事態に。架空の世界が乗っ取られ、世界中が大混乱に。やがて健二は立ち向かいことに、でもいつものように一人でなく、彼の後ろには心強い夏希の個性溢れる親戚家族が付いています。果たして世界の運命は?
 物語の展開にスリルとスピード感があり面白です。ただアニメの絵は粗さがあり、今一つかな。でも物語の内容は、ネット網が発達しあらゆる面で便利になりた現代社会、でも一歩間違えは大変なことになります。アナログの時代のような、心が通じる暖かさがありません。ネット社会が抱えている問題を描いていて考えさせられました。

 

★月に一回の映画観賞「天然コケッコウー」 2009715

 

 のどかな水田に囲まれた山間の村の小さな分校を舞台にした、ちょっと愉快で楽しい初恋物語「天然コケッコー」です。半年前(200924日)にDVDで観た時は、インパクトが少なく、それほど感動しませんでした。でも今回スクリーンで観たので、見落としているシーンとか、セリフ、スクリーンから聞こえてくる四季の音とかがあり、やっぱりこの映画はスクリーンで観た方がいいなあと思いました。
 山間にあり、また近くに海がある小さな小さな村、児童数も6人と少なく、分校で小中同じ校舎で勉強し、通学もいつも同じ。そんな分校の女子3人の中学生クラスに都会からカッコいい男子転校生大沢広海。主人公右田そよにとっては、初めての同級生、そして異性です。心が弾まない訳がありません。そして都会へ憧れも増します。季節は夏から秋、冬、そして新学年の春に移り変わります。そよの希望で修学旅行は東京、それも大沢君と同じ、そよの気持ちは期待で膨らみます。でも都会東京より故郷の良さを実感することに・・・。やがて卒業が近づき、高校受験、大沢君との別れ?と心が揺れます。そよの揺れ動く気持ちが可愛いです。
 ところでこの映画のタイトル”天然コケッコー”ですが、そよたち子どもたちは村、学校という小屋の中で大切に守られ育てられている雛たちなのです。やがて雛は育ち大きくなり巣立つのです。そんな子供たちを描いた清々しい作品でした。「映画て、やっぱりいいですね。」

 

★劇場映画観賞「MW−ムウー」 2009713

 

 1970年代に『ビッグコミック』で連載され、その過激な描写から他の手塚治虫作品とは一線を画すMW(ムウ)」、手塚治虫生誕80を機に実写映画化したサスペンス・エンタテインメント。政府によって闇に葬った忌まわしき集団殺人事件の生き残りである2人の青年がその真相を紐解くキーワード“MW(ムウ)”の謎に迫っていく物語を圧倒的スケールで描かれています。
 16年前、“沖之真船島”で島民全員が一夜にして虐殺される凄惨な事件が発生した。しかし、何故か?この事実は政府によって隠ぺいされる。この時、2人の少年が奇跡的に助かり、16年後それぞれ異なる環境で現代社会に身を置いていた。ひとりは、神父として迷える人々を救済しながら自らの受難の記憶を克服しようと苦闘する賀来。そしてもうひとりの生存者である結城はエリート外資銀行員の顔を持ち、密かに事件の謎を追い続け、当時の関係者へ冷徹な制裁を食らわせていたのだった。しかしその時の後遺症から自らの残された時間がわずかだと悟り、次々と報復を重ねていく結城。賀来は、特別な想いと深い絆で結ばれた結城の魂を救おうとする、でもその暴走に自らも引きずり込まれ、犯罪に荷担してしまう。やがて彼らのもとに事件を追った刑事やMWの真実を追った女新聞記者が近づきます。果たしてMWとは何か?そして彼らの運命は?
 ハラハラドキドキしながら楽しめる映画です。人は善と悪という二つの面を持ち、それは時として残酷的になり、時として慈悲になる。それは人が、ある切っ掛けで悪人にも善人にもなるということです。この映画には、日本が誇る天才、手塚治虫のメッセージが込められてると感じました

 

★DVD観賞「クワイエットルームにようこそ」 200978

 

 ふとしたはずみでオーバードーズ(薬物過剰摂取)に陥り精神科の閉鎖病棟に閉じこめられてしまった主人公が、ヘヴィな問題を抱えた患者たちや感情を殺して冷徹に振る舞う看護師たちと接する中で、次第に自分を失っていく恐怖に直面しながらも、立ち直っていく姿をリアルなタッチで描いた「クワイエットルームにようこそ」を観ました。 
 主人公佐倉明日香は28歳のフリーライター。ようやく手にした署名コラムの執筆は行き詰まり、同棲相手ともすれ違いが続く微妙な状態。そんなある日、明日香は気がついたら、真っ白な部屋のベッドに拘束されていた。そこはとある精神病院の女子閉鎖病棟の通称クワイエットルームでした。「アルコールと睡眠薬の過剰摂取により、丸2日間昏睡状態だった」と説明されても、記憶が定かでなく、戸惑うばかりでした。そしてそこには過食症、自殺などいろんな症状の患者たちいます。また規則を盾に聞く耳を持たない看護師や医者たち、そんな時一人の患者ミキと知り合い、この非現実的な世界を少しずつ理解していくとともに、一刻も早く外の世界へ戻るための方策を探り始めるのだったが…。次第に冷静に自分の過去のことや、今までの自分の生き方を見つめなおすのでした。
 ごく普通に暮らしている私たちだって、現実の社会から受けるプレッシャーで いつ一線を超えしまうかも知れません。人間のという生き物の弱さを感じました。

 

★DVA観賞「パコと魔法の絵本」 200972

 

 2004年に上演され話題となった舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』を原作に、豪華キャストと3DのフルCGキャラクターと実写の大胆な合成も織り交ぜ、奇想天外に描き出す感動物語「パコと魔法の絵本」を観ました。子供が大人に聞かせたいお話です。
 一日しか記憶がもたない少女(パコ)と偏屈なガママジジイ(大貫)との奇妙な交流をファンタジーに描いたお話です。変わり者が集まるとある病院、大人の俳優に脱皮出来なかった元有名子役、消防車に轢かれた消防士、オカマ、気が優しいヤクザといった入院患者たち、そして医師や看護師までもどこか変な人たちばかりです。その中でも一代で大会社を作った大貫の偏屈ぶりは筋金入りで、“お前が私を知っているだけで腹が立つ”と傍若無人な振る舞いで病院中の嫌われ者でした。そんな時庭で、毎日同じ絵本を読んでいる無邪気な少女パコと出会いました。でもそんな大貫は、ある時些細な誤解からパコを引っぱたいてしまう。ところが翌日、何事もなかったようにケロっとしているパコ。実は、彼女は交通事故の後遺症で記憶が1日しかもたないのだった。しかもその事故で両親を失ったことも知らず、毎朝枕元にある絵本をママからの誕生日プレゼントと思い込んでいた。そのことを知り、さすがに反省した大貫が、ふとパコのほっぺに触れた瞬間、“おじさん、昨日もパコのほっぺに触ったよね?”。昨日のことを覚えていないはずのパコが、よりによって大貫のことを覚えていた。ついに大貫の心に大きな変化が生?、彼はパコのために何かをしてあげたいと思い始めるのだったが…。それぞれに悩みやを持つ患者や医者、看護師たちを巻き込んで、サマークリスマスのイベントを始めるのでした。パコの持っている絵本のお話の劇の始まり始まり・・・。
 人はそれぞれに心に強さと弱さを持っています。元気な時は強さで生きていけますが、病気になった時にその弱さが現れてきます。でもそんな時、他人の優しさを感じられ、他人を思いやれるのです。最初この映画を観た時、あまりに奇抜さに、理解するのが大変でした。でも次第に物語の中に引き込まれ、楽しくなってきました。そして結して忘れることのない一作になりました。

 

★DVD観賞「蟲師 むしし」 2009629

 

 妖しき生きもの“蟲”が存在した100年前の日本を舞台に、蟲を鎮め人々を癒す能力を持つ“蟲師”ギンコをめぐる神秘の物語です。精霊でも幽霊でも物の怪でもない妖しき生き物“蟲”、人間に取り憑き、不可解な自然現象を引き起こす。TVアニメも評判を呼んだ漆原友紀の同名コミックを実写映画化したミステリアス・ファンタジー「蟲師(むしし)」映画です。
 映画の撮影がおこなわれた場所が私のよく知っている所なので、興味を持ちレンタル店で借りてきました。特に前知識があったのでなく観たので、最初はなかなか物語の中に入り込めませんでした。でもその独特な世界に徐々に引き込まれ、魅了されました。そしていつも訪れる場所(野鳥観察)が何故か神秘的に思われようになりました

 

★月に一回の映画観賞「今夜、列車は走る」 2009617

 

 火曜日に夜、いつもの自主映画会に行って来ました。今回の映画は、アルゼンチン映画の「今夜、列車は走る」でした。映画のタイトルからなかなか内容は想像つきませんでした。皆さんも同じだと思いますが、ただ原題「Proxima Salida 次の出口」から何か期待できるものが感じられるました。
 物語は、アルゼンチンの鉄道とともに栄えた小さな町で起こった出来事です。ある日突然、この町を走る路線が会社の一方的な方針で廃止される。そこには、日本同様に以前は国有鉄道が、その後分割民営化されたという背景があります。そんな中で鉄道員たちは、わずかな退職金と引き換えに自主退職の書類へのサインを求められます。そのため悩み自殺するものまで出ました。しかし最後まで抵抗した一人を除き、それぞれの鉄道員たちは、新しい人生に踏み出すのでした。生活のためにタクシー運転手になるもの、病気の子供と妻のために仕事を探すもの、働く目的がなくなり家に閉じこもるもの、サンドイッチマンの仕事しか得ることができなかったものなど、でもそこに待っていたのは過酷な運命でした。まるで長いトンネルに入ったように・・・。そんなある夜、ある事件が起こったのでした。果たして彼らの先に待っているのは?
 大変重いテーマです。今日本でも現実に起こっている不況、派遣切り、失業とどうしても重ねてしまいます。でも決して諦めたらいけないと、この映画から感じました。確かに今は真っ暗なトンネルの中かもしれませんが、永遠には続きません。その先は出口があるのだと、そして希望が・・・。感激!

 

★劇場映画観賞「鴨川ホルモー」 2009529

 

 京都の街を舞台にした謎の学生サークルが繰り広げる摩訶不思議な4大学対抗バトルの行方を描いた万城目学の傑作小説を実写映画化した青春ファンタジー・コメディ映画「鴨川ホルモー」を観てきました。ひょんなことから青竜会という正体不明のサークルに入ってしまったダメ新入生。個性溢れる仲間たちとの交流を通じて辿り着く驚愕の事実と、“オニ”を操る奇想天外にして滑稽な競技(ホルモー)の模様が、陰陽道を背景とした壮大な設定の下、バカバカしくもエネルギッシュに綴られる青春映画です。
 二浪してようやく京大生となった主人公の安倍は、なんとなく参加?した葵祭の帰りしに、”ただの普通のサークル”と勧誘され、同じ新入生の帰国子女・高村と一緒に“タダ飯”目当てに怪しげなサークル“京大青竜会”の新歓コンパに顔を出す。ところが、その席で鼻フェチの安倍をうならせる美女・早良京子に遭遇、一目惚れした勢いで思わず入会してしまう。ただのレジャーサークルだと思っていた青竜会だったが、やがて会長の菅原から“オニ”と呼ばれる小さな式神の集団を操り戦わせる伝統の祭り、“ホルモー”を行うサークルだと告げられる。こうして安倍は、高村や“凡ちゃん”こと大木凡人似のメガネ女子・楠木ふみら他の新人メンバーとともに、オニを操るための特訓と称して、意味不明なオニ語や恥ずかしい指令ポーズの習得を命じられるのだったが…。
 この映画のロケ地が京都市内で、京大周辺、鴨川、吉田神社、南禅寺と私のテリトリーです。なんとなくそんな理由で観に行きました。でも”オニを操る””オニ語”、こんなバカバカしいところが結構おもしろいです。映画の中で出てくる懐かしいCMソング(レナウン娘)の曲にのって踊るシーン、思わず笑いが・・・。

 

★劇場映画観賞「おっぱいバレー」 2009430

 

 祝日(昭和の日)に70年代後半の中学校を舞台にした、新任女性教師の成長と彼女のおっぱい見たさに見違えるように練習に励む弱小男子バレー部員たちの奮闘をさわやかに綴た「おっぱいバレー」を観てきました。
 1979年、北九州、中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任されるが、そこに待っていたのは、バレーボールすらまともに触ったことのないやる気ゼロのダメダメ部員たちだった。彼らのやる気を引き出し、廃部寸前のバレー部を何とか立て直そうとする美香子だったが、ひょんなことから“試合に勝ったら、おっぱいを見せる”というとんでもない約束をさせられるハメに。おっぱいを見せるなんて絶対無理と思いながらも、別人のようにやる気を見せ始めた彼らと、日々の練習を通じて次第に信頼関係を築いていく。そんな矢先、“おっぱいの約束”が学校で大きな問題となってしまう。果たしてバレーボール部の運命は・・・、なんともすがすがしい映画でした。そして映画のバックには、当時ヒットした懐かしい音楽が流れます。
 70年代後半、私はすでに大学を卒業して社会人、でも甘くスッパイ中学生時代を懐かしく思いました。また映画に登場する街角や走る車などの小道具から大道具、よくもそろえたものだと感心しました。

 

★月に一回の映画観賞「マンデラの名もなき看守」 2009415

 

 火曜日の夜、自主映画鑑賞で「マンデラの名もなき看守」を観てきました。アパルトヘイト政策が行われていた南アフリカ、その反対運動を展開していたANC(南アフリカの黒人解放闘争の主体となった社会民主主義政党でアフリカ民族会議)の主導者として捕まり、獄中生活を送るネルソン・マンデラ。そのマンデラが獄中されている島に赴任してきた看守グレゴリーは、コーサ語が話せるためマンデラの担当を任される。それが二人の最初の出会いでした。黒人は白人より劣ると信じ、マンデラの行った運動はテロだと考えていたグレゴリー、だが次第にマンデラと交流するうちに、そのことが間違いだらけで、隠された事実を見つけるのでした。しかしその事で家族共々に周りからいやがらせを受け、一度はマンデラのもとから離れるグレゴリー。しかし何かにひかれるがごとく、再びマンデラの監視を任され、マンデラ解放に立ち会うのでした。
 マンデラの気高い魂に導かれ、歪んだ社会で失くしてしまった美しい魂を取り戻していくグレゴリー。人種や立場の違い、命の危険さえ乗り越え、敬意と信頼で結ばれる二人の男を描いた素晴らしい映画でした。

 

★DVD観賞「西の魔女が死んだ」 2009330

 

 今回は、心が温かくなる映画「西の魔女が死んだ」を観ました。“魔女が倒れた、もうダメみたい”と連絡を受け、車で駆けつける母と娘まい。物語はまいの回想から始まります。
 少女は、中学に入って間もなく学友との付き合いがうまく出来ず登校拒否になる。そんな娘を見かねた母は、英国人で一人田舎で暮らす祖母のもとに預けるのでした。田舎暮らしに戸惑うものの、豊かな自然と祖母の優しい愛に包まれ、次第に閉ざした心を開いていくのでした。そして祖母はある日、私は魔女の家系で、魔女の不思議な力などを聞かせてくれるのでした。まいは、そんなおばあちゃんが大好きです。やがて父と母と一緒に別の地で暮らすため、祖母のもとを旅立ちました。おばあちゃんと小さな約束を交わして・・・。

 

★読売名画鑑賞会で「明日への遺言」を 2009326

 

 昨夜は寒い日、自宅から会場まで自転車で10分の道沿いの桜もチラホラ、でも寒い。そんなためか、入場者も少なめでした。映画「明日への遺言」は、第二次世界大戦中に無差別爆弾を実行し、パラシュートで脱出した米兵を略式裁判で処刑したことで、戦後B級戦犯として問われる東海軍司令官・岡田資中将とその部下たちの法定闘争とその家族との絆を描いたものでした。
 映画の中では、一つの戦犯の法定闘争を通して、“戦争”とは何か、暗黙のルール“軍事施設以外爆撃をしない”とは、“無差別爆弾をおこなった米兵は戦争犯罪人だ”とか、問いかけられました。またどんなことがあっても最後まで責任は私一人で、部下たちには無いと貫く主人公・岡田中将の人柄に感銘をも受けました。
 寒かった夜の帰り道、何故か心の中はポカポカ・・・。

 

★劇場映画観賞「少年メリケンサック」 2009322

 

 今日は人気脚本家・宮藤官九朗の監督二作目のパンク・コメディ映画「少年メリケンサック」を観てきました。
 あるレコード会社の契約切れ寸前の新人発掘部の契約社員・栗田かんな。インターネットのサイトで偶然見つけたイケメンパンクバンド”少年メリケンサック”のライブ映像、何かピンときた彼女は、早速社長へ・・・。ただ彼女にはパンクバンドととは、謎の謎?その映像を見た社長からOKを受け、彼女は成功の予感を抱き、契約交渉へ向かうが、彼女の前に現れたのは50歳過ぎのヨレヨレおっさんだった。それもそのはず、彼女が見たライブ映像は、解散前の25年前のものでした。いち早くその映像を社長はネットの流し、バンドの人気は一人歩きし、全国各地でのコンサートが決まる。結局かんなはバンドのメンバーを何とか集め、全国ツアーに出発!果たして彼らと彼女の運命は?ヨレヨレおっさんたちも次第にイキイキとしていくのです。
 映画はロードムービー的に描かれて、年齢を超えた感動を与えてくれます。上映館では、レイトショーなので若い人が多かったですが、ぜひおちゃん、おばちゃんにも観てほしいです。暗いこの時勢、きっと明るくなるでしょう。

 

★最近観たその他の映画・・・ 200936

 

 最近観た映画で、感想を書かなかった映画を紹介します。
 ★レンタルDVDで観た「アヒルと鴨のコインロッカー」、大学入学で仙台に引っ越してきた一人の若者が隣人の奇妙な計画に巻き込まれていくという、ちょっとミステリアスな青春映画です。映画のタイトルから想像もできない展開があり、なんだか退屈な前半と思わず話にのめり込む後半、映画の中で流れるボブ・ディランの「風に吹かれて」のように観終わって清々しい気持ちになる映画の一つでした。

 ★上映会で観た「魂萌え!」、長年連れ添った夫の死そしてもう一人の夫の姿を知り、自らの人生を見つめなおし、第二の人生に踏み出していく一人の女性を描いた映画です。それにしても女性は強いですね、男性だったらどうなるのでしょうか?

 ★上映会で観た「ミッドナイトイーグル」、人生を見失ってしまったかっての戦場カメラマンを主人公に雪の北アルプスを舞台にしたサスペンス・アクション映画です。映画の中には家族愛が描かれていますが、もう一つインパクトがありません。またアクションも迫力不足でした。

 

★月に一回の映画観賞「オフサイド・ガールズ」 2009226

 

 月曜日、いつもの月に一回の自主映画会でイラン映画「オフサイド・ガールズ」を観てきました。題名からわかるようにサッカーを題材にした映画です。女性のスポーツ観戦が禁じられているイランの国情を背景に、ワールドカップ出場をかけた対バーレーン戦の大一番を舞台に、男装しあの手この手でスタジアムに潜り込もうとする元気いっぱいの少女たちの姿を描いたはつらつ青春映画です。イランではサッカーは国民的スポーツで、男性のみならず女性もみんなサッカーが大好なのに、男性一緒にサッカーを観戦できないのです。映画からは、そんな女性たちの声が感じられました。そして観終わって私は、彼女たちから元気とパワーをもらったきがします。

 

★劇場映画観賞20世紀少年、第二章 最後の希望」 2009212

 

 昨年秋に公開された「20世紀少年」の第二章です。前作同様、正体不明の”ともだち”組織に対抗する少年時代に秘密基地のメンバーたち、今回は行方不明になったケンジの姪カンナが主人公です。
 2000年に起こった”血のおおみそか”から15年後、正義のために戦ったケンジたち(秘密基地メンバー)は、”ともだち”組織らによって悪魔のテロリストにされてしまい、それを救った”ともだち”は人類の救世主として拝められていました。そしてメンバーたちは、密かに身を潜めながらそのチャンスをうかがっていました。ユキジに育てられた高校生カンナも、伯父ケンジの無事と無実を信じていました。果たしてケンジの書いた『よげんのしょ』の続きは・・・、”ともだち”の真相は・・・、ワクワクドキドキしながらの2時間半でした。
 原作にないストーリと展開、今から最終章が楽しみです。

 

★最近観たDVD・・・「寝ずの番」 「天然コケッコー」 200924

 

 先月、DVDで観た二つの作品をご紹介します。一つは、祖父に映画の巨匠マキノ省三を持つ俳優津川雅彦のデビュー作「寝ずの番」です。中島らもの短編集をもとに上方落語界の通夜での人間模様をユーモラスに描いた作品でした。物語は、ある落語家の師匠、その一番弟子、そしてその妻の通夜での一夜話です。その会話は落語を聞いているような、少しエッチな内容も盛り込んだ内容で、楽しい映画でした。ただ今までどこかで観たようなシーンがあり、新鮮さは感じられませんでした。

                                                    

 もう一つは、ある小さな村の学校での初恋物語「天然コケッコー」です。物語は全校生(小中)合わせて6人、そんなある日に都会から男子生徒が転校してきました。主人公の女子中学生右田そよにとっては、初めての同級生。そして都会の匂いがかっこういい〜。そんなそよの初恋物語です。爽やかな映画ですが、すこしインパクト不足かな?

 

★DVD観賞「しゃべれども しゃべれども」 2009120

 

 東京下町を舞台に、ひょうんなことから「話し方教室」を始めることになった落語家の青年と、そこに集まる各々に悩みを持つ3人をやさしい目線で描いた映画「しゃべれども しゃべれども」を観ました。
 主人公今昔亭三つ葉は、二つ目で古典しか興味がなく、普段から着物を着る今時珍しいタイプの噺家でした。そして古典落語への愛情は人一倍強いが、なかなか腕は上がらず真打になれず行き詰まりの状態でした。そんな三つ葉のもとで「話し方教室」をすることになり、大阪から引っ越してきたがクラスに溶け込めない少年、美人だが無愛想な口下手な女性、元野球選手でコワ面であがり症のプロ野球解説者という変な生徒が集まりました。三つ葉は最初は乗り気でなかったのですが、次第に彼らと交流も深まり、自らも成長していくのでした。
 映画の内容もですが、あまり興味がなかった落語そのものに魅了を感じました。そして他人に自分の話を聞かせる難しさ、大変さも感じました。

 

★月に一回の映画観賞「君の涙ドナウに流れ、ハンガリー1956 2009120

 

  「ハンガリー動乱」として知られた1956年の出来事は、本国ハンガリーでは1989年民主化まで、時の共産政権によって「反革命」と呼ばれていました。その時代に起きた失われた革命とオリンピックの栄光を描いた作品「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956を観てきました。
 第二次世界大戦後、1948年ソ連が支援するハンガリー勤労党(共産党)の事実上一党独裁体制でした。そして極度の重工業化政策が取られ、また秘密警察が全土にスパイ網を引き監視体制が取っていました。そんな中、オリンピック出場を願う水球のスター選手カルチ、そして母国の悲しい過去を胸に秘め、自由のために戦っていた女子学生ヴィキの二人は出会い、恋するのでした。水球と家族のためヴィキと距離をとっていたカルチでしが、悩みながらも次第に戦いに身を投じていくのでした。やがてそんな国の動乱も収まり、カルチは水球仲間とともにメルボルン・オリンピックへ・・・。でもそこには悲しい結末が待っていたのでした。
 お恥ずかしいながら、私はこの事実を詳しく知りませんでした。今日はこの映画を観られて良かったです。悲しい結末ながら、生きる勇気を感じました。

 

★DVD観賞「雨あがる」 2009120

 

 今回は、世界の巨匠・黒澤明監督が最後まで映画化を目指した山本周五 郎原作の「雨あがる」を観ました。黒澤の下で28年間助監督を務めた小泉 堯史が黒澤組スタッフとゆかりのキャストが集結させ、完成させました。    
 物語は江戸時代、豪傑な元禄が終わり質実尚武を尊ぶ享保時代。主人公 は武芸の達人でありながら不器用で仕官が務まらない浪人三沢伊兵衛、そして何かと控え目で「人を押しのけず真実な人々に希望を与える立派だ と」夫を蔭から支える妻たよ。そんな二人が旅の途中、長雨で川が増水して足止めされ、近くの安宿で過ごした数日間の話です。1時間半の短い映ですが、その時代を生きた庶民をユーモラスに描いたり、観終わって優しを感じる映画でした。

 

2008

 

★月に一回の映画観賞「歓喜の歌」 20081217

 

 ある小さな町の[みたま文化会館]で起こった大晦日のダブルブッキング事件を題材にした「歓喜の歌」を観てきました。原作は、立川志の輔が落語会で全国の市町村を回って経験したものを題材に書き下ろした新作落語「歓喜の歌」です。
 市役所の他の課からお粗末な事件を起こし飛ばされたにも関わらず、なお安定した職場に胡坐をかき、人生を適当にやり過ごしてきた会館主任の主人公飯塚。そんな彼の身に大晦日の会場のダブルブッキングが起こります。(みたま町コーラスガールズ)と(みたまレディースコーラス)というよく似たグループ名を取り違えて予約を受けてしまったのです。「何とかなるだろう、オバサンの暇つぶしだし・・・」とタカを括っていたが、両者譲らず、そして自分の夫婦間のトラブルになったことまで加わり、右往左往する事態に・・・。果たして飯塚主任の運命は?
 いつの時代も変わらぬ人間の喜怒哀楽を温かい目線で描き、なんとも心が温かくなる映画でした。何かと気が滅入る今の時代だこそ、是非観てほしい映画です。ご多分にもれず、今の私の心もリフレッシュ出来た映画でした。

 

★読売名画鑑賞で「やじきた道中 てれすこ」 20081118

 

 今夜、毎月開かれている読売名画鑑賞会で「やじきた道中 てれすこ」を観てきました。 天下太平の江戸時代、女房と子供をぽっくり病で亡くし一人身の飴細工職人の弥次郎兵衛(弥次さん)、そして弥次さんの幼馴染で売れない歌舞伎役者で舞台で大失敗をした喜多さんの二人は、江戸・品川の遊郭島崎のお喜乃に「父が病という」大嘘に騙され、遊郭から脱出させる。そしてお喜乃の父のもとに三人で旅立つのでした。おりしも大阪で“てれすこ”という奇妙な生き物が捕獲されたと人々の話題を集めていたころです。遊郭からの追ってから逃げ、奇妙な三人旅を繰り出すのでした。
 古典落語のネタをいろんなところに散りばめ、テンポよく描かれた人情喜劇時代劇でした。なんといっても弥次さんに中村勘三郎、喜多さんに柄本明、そしてお喜乃に小泉今日子というコンビが良かったです。

                                              

★月に一回の映画観賞「ツォツィ」 20081117

 

 今回は、南アフリカ、ヨハネスブルグが舞台の「ツォツィ」を観てきました。「人類に対する犯罪」と国連から非難された南アフリカのアパルトヘイトが廃止されて10余年。そして差別のない平等な社会を取り戻したはずなのに、その後の急激な社会変化や経済格差も加わり、新たな差別が生まれてきています。そんな南アフリカの現状から目をそらさず、描いた映画が「ツォツィ」です。
 南アフリカで黒人初の大統領マンデラの出身地区として知られるソウェト、しかしその中にはバラックが立ち並ぶスラム街もあれば、普通の民家や高級住宅が並ぶ地域もあります。そんなスラム街で住む主人公ツォツィ(不良とよばれる)は、辛い過去を捨て、名前すら捨て、何故か未来からも目をそらし、仲間とつるんでは窃盗やカージャックを繰り返す毎日。でもある夜、高級住宅地から一台の車を盗むと、車中には生まれたばかりの赤ん坊が。その小さな命は彼が封印したはずのさまざまな過去を呼び戻し、次第に命の価値や希望を見出していくのでした。
 全体的に暗い映画ですが、映画の中で流れる躍動あふれる音楽や小さな希望の光が見える映画のラストシーンには心が癒されました。人はどんな状態に置かれても、決して希望は捨てはいけないと思いました。

 

★月に一回の映画観賞「ぜんぶ、フィデルのせい」 20081015

 

 今日は映画サークルの自主映画会で「ぜんぶ、フィデルのせい」を観てきました。主人公はちょっとおしゃまな女の子アンナ、弟と弁護士のパパと雑誌記者のママとの何不自由のないパリでの三人暮らし。時代は1970年代、世界各地で社会主義運動が起こる激動の時代でした。アンナの両親はスペインで長年フランコ政権に対して反政府運動をおこなっていた伯父が亡くなり、社会的意識に目覚め、チリへ旅立つのでした。そしてアンナら子供たちも巻き込み、今までの生活が変わっていきます。やがてアンナの不満が大爆発、元の生活に戻りたい!そんなアンナの気持ちと反対に・・・。             
 この映画の背景には、この当時の世界の動きがちりばめられています。ただ断片的に描かれていて、この映画を観る前に少し勉強しておく必要があるかも?私も勉強不足で、よくわかりませんでした。                              100回目の記事で〜す。

 

★劇場映画観賞20世紀少年 第一章」 2008107

 

 雨の日曜日、今公開中で話題の20世紀少年 第一章」を観てきました。「ビッグコミックスピリッツ」で約8年間連載された浦沢直樹原作の人気コミックが実写映画化されたもので、3部作で構成されています。今回は、その第一弾です。                
 物語は1969年、翌年に大阪万博の開催を控え、人類が月に初めて降り立った年で、未来に期待を持っていた時代、小学生だった主人公ケンジ、近くの原っぱに秘密基地をつくり、同級生たちと色んな空想を思う浮かべ楽しんでしました。そしてそれから年が過ぎ1997年、主人公ケンジは、ロックスターになる夢をあきらめ、実家の酒屋を引き継ぎ、今は家出した姉の一人娘を育てながらコンビニの店主。ある日小学校の同窓会があり、そこに集まった同級生から妙な噂を聞かされたのでした。その後も、同級生のドンキの死や奇妙な事件が世界各地で起こりました。そのことがケンジらが子どもの時に作った「よげんの書」とあまりにも一致すると知りました。「ケンジくん、遊びましょ」 ・・・                           
 原作を読んでない私でも十分楽しめました。次回作第二章が楽しみです。また映画の中に出てくる主人公たちの少年時代の風景に懐かしさを覚えました。ちなみに主人公たちより、少し年上ですが、(*^_^*)。

 

★劇場映画観賞「おくりび」 2008927

 

 23日木曜日に公開中の映画「おくりびと」を観てきました。ひょんなことから遺体を棺に納める“納棺師”となった男が、仕事を通して触れた人間模様と人として成長していく姿を描いた感動作です。一見近寄りがたい職業、納棺師に焦点を当て、重くなりがちなテーマを軽快なタッチで描かれていました。
 主人公大悟はチェロ演奏家、でも突然の楽団解散で職を失い、故郷山形へ戻っていきます。そこで好条件の仕事を見つけ、面接を受けに会社へ。でもその仕事は納棺師。そして世間からは何故か、けがらわしい職業としか見られず、愛する妻からも”けがらわしい”と言われてしまうのでした。しかし大悟はその後も淡々とその仕事をこなし、次第にその仕事に誇りを見出してゆくのでした。人は必ず死を迎え、最愛の家族と別れなくてはいけません。その死は事故、病気など突然に、そしてまた孤独死など様々です。その時、死者と家族とを最後に結ぶつけるのは、遺体を棺に納める納棺師なのです。宗教を問わず厳かにやさしく行われる儀式なのです。死の儀式を美しい見せる映画でした。
 美しい山形・庄内地方の移り変わる四季とバックに流れるやさいい音楽、一度でも親しい者を送り出したしたことがある人は、涙せずにみられないでしょう。

 

★読売名画鑑賞「LIMIT OF LOVE 海猿」 2008920

 

 前作「海猿」に続き二作目です。前作は、海上保安官潜水士仙崎大輔が誕生する物語でした。今回は、その仙崎が赴任先の鹿児島航空基地機動救難隊管内で起きた大規模な艱難事故に遭遇し、一人枚の潜水士へと成長していく物語でした。絶対絶命のピンチを乗り越え救護者ととに脱出しようとするシーンは迫力があり、見ごたえがある映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「みえない雲」 2008917

 

 チェルノブイリ原発事故直後の1987年に発表され、数々の文学賞を受賞したベストセラー小説を映画化した問題作「みえない雲」を観てきました。小さな町を襲った原発事故の悲劇と、その極限状況下で育まれる愛を描く物語です。数多くの原発が稼動する現在、架空の物語ではありません。もちろん日本でも同じです。
 主人公ハンナは母と弟と暮らし、友達とふざけたり、将来の夢を語ったりとごく普通の女子学生です。そしてあるきっかけでエルマーと知り合い、恋心が芽生えたその時、鳴り響く警戒音。小さな町の中はパニック、われ先とに逃げ惑う人々・・・。そんな中をハンナは仕事で母が外出して家で一人留守番している弟のもとに戻り、自力で小さな町を脱出するが、そこには思わぬ運命が待っていたのでした。
 映画を観終わって、今私たちが置かれている現実、原子力発電所が身近にあり、時折小さな事故が起こっている事実、怖くなりました。もう一度私たちの生活環境、いかに無駄なくエネルギーを利用するか、より安全にエネルギーを作るか、など考えました。

 

★月に一回の映画観賞「蟻の兵隊」 2008824

 

 今日は、ドキメンタリー映画「蟻の兵隊」を観てきました。映画は日本軍山西省残留問題を取り上げたもので、私が今まで知らなかったことなので、衝撃的を受けました。
 映画の主人公奥村和一は、1944年徴兵され中国に派兵、終戦後も山西省残留兵として中国内戦を戦い、1954年帰国。軍部上層部による指示で終戦後も残留兵として戦ったのに、そのことを国は「自らの意志で残った」として戦いそのものを認めてくれません。そして犬死した戦友たちのために裁判を起こすのです。奥村自身も終戦後初めて中国の地を踏みます。今まで忘れかけていた、戦時中の悲しく悲惨な事実を思い起こすのでした。日本に戻った奥村は、戦争の生き残りとして、今までにもまして真実を求めるのでした。

 

★読売名画鑑賞で「怪談」を 2008823

 

 夏の時期にぴったりの映画「怪談」を観てきました。原作は落語、三遊亭円朝「真景累ヶ淵」でした。
 物語は江戸時代後期、下総の国の鍼医(はりい)皆川宗悦は女房の死後、二人の娘を男で育て、金貸しも営んでいました。ある雪の晩、金を貸した藩士・深見新左衛門の屋敷に返済の催促にいきました。しかしちょとしたことから無礼討ちにあい、一命を失い累ヶ淵に沈められました。それから二十余年後、雪の残る町かどでたばこ売りの新吉と三味線の女師匠豊志賀は運命的な出会いをします。何が因果か、この二人は、あの藩士深見の忘れ形見の息子と殺された皆川の娘でした。やがて二人は恋に落ちますが、その二人を待っていたのは、恐ろしい運命でした。そして話は、この二人だけでなく、多くに人の運命をも巻き込んでいくのでした。
 ここで何かが起こると思っていても、日本の怪談話は怖いです。そして人間の怨念も恐ろしいです。

 

★劇場映画観賞「崖の上のポニョ」 2008817

 

 14日、この夏の話題作、スタジオ・ジブリの作品「崖の上のポニョ」を観てきました。 
海辺の小さな町の崖の上の一軒家に住む5歳の男の子宗介、町の老人施設で働く母と船乗りの父と暮らしていました。そんな宗介は、クラゲの乗って家出したさかなの子ポニュに出会います。頭をジャムの瓶に突っ込んで困っていたポニョを、宗介が助けることから物語が始まります。「ぼくが守ってあげるからね」と宗介、そんな宗介のことを好きになったポニョは、人間になりたいと願います。そして海の世界は混乱に陥り、人間の町に大洪水を引き起こすことになるのです。母は「ここにいるのよ」と言い残し、家に宗介とポニョを残し、老人施設に取り残された人々を探しに再び町へ引き返して行きました。夜が明けると小さな町は、小高い山以外海の中に沈み、見知らぬ古代魚などお魚の世界に変わっていました。宗介とポニョは母を探しに、ポニョが魔法で大きくしたおもちゃの船に乗って大冒険と出発します。

この作品は、少年と少女、愛と責任、海と生命——神経症と不安の時代に、宮崎駿がためらわずに描く「母と子」の物語です。

 

★劇場映画観賞「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 2008811

 

 昨日の二本目の映画は、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」です。前作に続き昭和30年代の東京、東京タワーの下に広がる三丁目の町並み、その中の一軒の店、鈴木オート、そして登場人物も同じです。今回は前作から4か月後、東京オリンピックの開催が決定し、益々高度成長時代のそんな中の下町、鈴木家の夫婦の戦時中のエピソードの含め家に預けられた親戚の娘・美加、茶川家の淳之介の話、そして茶川の夢への挑戦などいろんな話をちりばめられた玉手箱のようなお話でした。
 なんといってもCGによって再現された昭和30年代の東京、特急こだま、羽田空港など懐かしく観ました。あの頃のようにもう一度夢をもって生きたいです。

 

★劇場映画観賞「あの空をおぼえてる」 2008811

 

 昨日、京都の祇園会館(映画館)で、久しぶりに映画を二本観てきました。その一つは、「あの空をおぼえてる」です。原作は、ジャネット・りー・ケアリー著の児童文学、原題は『Wenny Has Wings』です。
 最愛の娘の死という突然の悲劇に襲われた家族の悲しみと再生への道のりを描いた感動ドラマ。地方都市で写真館を営む深沢雅仁は、妻・慶子と小学4年の息子・英治、幼稚園児の娘・絵里奈の4人家族。慶子のお腹には新たな命も宿り、幸せな毎日を送っていた。そんなある日、突然起こった悲劇、2人だけで買い物に出かけた兄妹が交通事故に遭ってしまう。英治は奇跡的に一命は取り留めたものの、絵里奈は帰らぬ人に。以来、家の中からは笑顔がすっかりなくなり、それぞれが重い喪失感や自責の念に駆られていく。娘の死を認められない母、父、何とか両親の心を癒そうとする息子の英治も痛げない。やがて英治は事故にあったその時、経験した不思議な話(空の上を楽しげ遊ぶ妹・絵里奈)を両親に打ち明けるのでした・・・。
 久しぶりに清々しい映画を観ました。

 

★月に一回の映画観賞「明日へのチケット」 2008724

 

 今回は、三人の監督によって作られた映画「明日へのチケット」を観てきました。三人とは、「木靴の樹」でカンヌ国際映画祭でバルム・ドールを受賞し世界的に高く評価されているイタリアのエルマンノ・オルミ、「桜桃の味」で第50回カンヌ国際映画祭で同じくバルム・ドールを受賞したイランのアッバス・キアロスタミ、そして一貫して労働者階級や第三世界からの移民たちの日常生活をリアルに描き「麦の穂をゆらす風」で第59回カンネ国際映画祭で同じくバルム・ドールを受賞したイギリスのケン・ローチです。そして映画は、それぞれの物語がどこかで繋がり、そして舞台が列車の中という二つのルールのもとで作られています。
 ローマに向かう特急列車に乗り込んでくる洋々な人種と階級の人々の一枚の乗車券(チケット)にまつわる、哀しみ、不安、残酷さ、不平等、そしてそれでも失われない愛と希望の物語です。悪天候のため出張先のインスブルックからの列車でローマへ帰ることとなった老教授のひと時のお話、イタリアの駅から列車の乗り込んでくる太った倣慢な未亡人と付き添う青年のお話、そして熱狂的な三人のサッカー小僧たちのお話から出来ています。それぞれ全く別の話ですが、どこかで繋がり、そして今のヨーロッパが抱える問題を所々で指摘しています。

 

★月に一回の映画観賞「パラダイス ナウ」 2008624

 

 今日は、解決の糸口の見えないパレスチナ問題を、自爆攻撃に向かう2人の若者の4視点から問い直す問題作「パラダイス ナウ」を観てきました。これまで決して語られることのなかった自爆攻撃者の複雑な内面に迫りつつ、それを肯定することなく、彼らが生み出されていく複雑な背景をありのままに描き出していく。各国で賛否を巡って活発な議論を呼び起こしたほか、パレスチナ映画としては初めてアカデミー外国語映画賞にノミネートされた際にはイスラエルの人々による大々的な反対運動が起るなど様々な物議を醸した。監督はパレスチナ人のハニ・アブ・アサドで、共同プロデューサーの中にはイスラエル人プロデューサーも名を連ねている。
 物語は、イスラエル占領地のヨルダン川西岸地区の町ナブルス。幼なじみサイードとハーレドは、この地区の他の若者同様、希望のない日々を送っていた。そんなある日、サイードはヨーロッパで教育を受けた女性スーハと出会い互いに惹かれ合う。しかしその矢先、彼とハーレドは、自爆志願者をつのるパレスチナ人組織の交渉代表者ジャマルからテルアビブでの自爆攻撃の実行者に指名されるのだった。しかしその決行の時、予期せぬアクシデントが起こるのでした・・・。果たしてその結末は?

 

★読売名画鑑賞会で「硫黄島からの手紙」で 2008521

 

 以前から観てみたかった映画「硫黄島からの手紙」を観てきました。監督クリント・イーストウッドがアメリカから見た硫黄島「父親たちの星条旗」と日本から見た硫黄島「硫黄島からの手紙」の二部作として作った映画の一つです。
 物語は日本兵が立てこもった洞窟から掘りされた61年届けられなかった家族への手紙から語るかのように、36日間にも及ぶ激戦を一人の指揮官と平凡な一兵隊の視点から描かれていました。戦いは物量を誇るアメリカ軍、そしてその当時の状況からあまりにも無謀なものでした。でもそんな中で彼らは本土襲来を一日でも引き延ばすため、家族のために戦ったのでした。
 またこの映画は、戦争の悲惨さを冷静に、なお平等な視点から描いていました。それゆえ、観終わって何故か込上げる怒りを感じました。最後にアメリカから見た硫黄島「父親たちの星条旗」も是非観てみたいです。

 

★月に一回の映画観賞「遠くの空に消えた」 2008521

 

 自主上映会で行定勲監督の「遠くの空に消えた」を観てきました。架空の村で起きた空港建設反対を巡る騒動の中で、巻き込まれていく子供たちの姿を、愉快のそして懐かしく描いた物語です。時代も場所もそして国籍も架空、映画の流れる音楽も、でも何故か楽しい映画です。夢と不安がいっぱいの子供頃が何故か懐かしく思い出せました。

 

★月に一回の映画観賞「シッコ」 2008415

 

 今日はアメリカ映画、マイケル・ムーア監督の「シッコ」を観てきました。アメリカの医療・保険体制を痛烈の皮肉タップリに描いたドキュメント映画です。今日本でも年金問題や後期高齢者保健などで世間が揺らいでいる時期なので、身につまされる映画でした。映画の前半は、アメリカの保健制度とか保険会社の問題が次々と出てきて、専門用語も飛び出し、ちょっと疲れました。ただ後半のカナダ、イギリス、フランスなど監督自身によるインタビュー形式になるとわかりやすく、日本のことと対比しながら考えさせられ、心にズシーンと響きました。

 

★劇場映画観賞「母べえ」 200844

 

 先週の日曜日、山田洋次監督、吉永小百合の主演で映画化した感動の反戦ヒューマン・ドラマ「母べえ」を観てきました。物語は、突然夫が治安維持法で投獄されてしまうという苦境の中で、夫を信じ続け、つつましくも気高き信念を失わず、残された2人の娘を守るため懸命に生きた一人の女性の姿を描いたものです。                  
 太平洋戦争が始まる前の東京、野上佳代は、愛する夫・滋と2人の娘、長女の初子と次女の照美と共に、つましいながらも幸せな毎日を送っていた。互いに“父(とう)べ  え”“母(かあ)べえ”“初べえ”“照べえ”と呼び合い、笑いの絶えない野上家でした。そんな一家に突然の悲劇が襲うのです。文学者である滋が、反戦を唱えたことを理由に特高刑事に逮捕され、穏やかだった生活は一変し、不安と悲しみを募らせる母と娘たち。そんな中でも、滋のかつての教え子・山崎(ヤマちゃん)や滋の妹・久子、放埒で型破りな叔父・仙吉らが一家のもとに駆けつけ、佳代と娘たちを優しく親身に支えていくのでした。                                                    
 映画は淡々と描かれ、それゆえに戦争の悲惨さが伝わってきました。小さな幸せすら奪ってしまう戦争、けして繰り返していけないですね

 

★月に一回の映画観賞「紙屋悦子の青春」 2008317

 

 今日は黒木和雄監督に遺作となった2006年作の「紙屋悦子の青春」を観ました。黒木和雄といえば、「TOMORROW/明日」が思い出されます。大変インパクトのある戦争、長崎の原爆をテーマにしたものでした。今回の作品は淡々と老夫婦の会話とともに、彼らの青春を描いています。
 昭和20年の春、鹿児島の片田舎、両親を失ったばかりの紙屋悦子は、優しい兄夫婦と3人で慎ましい毎日を送っていた。そんな彼女が秘かに想いを寄せていたのは、兄の後輩で海軍航空隊に所属する明石少尉だった。ところが悦子に別の男性との縁談が持ち上がる。相手は明石の親友、永与少尉だった。それは明石自身も望んでいることだと聞かされ、深く傷つく悦子だったが…。明石は戦地に飛び立つ自分の彼女への想いを、友人である永与へ託したのでした。でもその時が紙屋悦子にとっては青春だったのです。映画は淡々と描かれていますが、戦争の悲惨さを伝えてくれる映画でした。

 

★DVD鑑賞 「サイドカーに犬」 2008229

 

 DVD鑑賞の3本目は、少女期のある夏のちょっと刺激的な思い出を描いた「サイドカーに犬」を観ました。主人公薫は、不動産会社に勤める30OL、久々に再会した弟から結婚披露宴の招待状を受け取る。離婚した両親も出席すると聞いた薫は、ふと20年前に母が家を出て行った時のことを思い出す。小4の夏休みのはじめ、父とケンカの絶えなかった母は家を出て行った。数日後、家にヨーコさんという若い女の人が突然やって来た。ドロップハンドルの自転車に颯爽と乗るヨーコさんは、神経質な母とは対照的に大ざっぱな性格で気が強い人だった。薫に対しても子ども扱いすることなく対等に接してくれた。真面目で内気な薫にとって、そんなヨーコさんとの生活はまさに驚きの連続の夏の日でした。映画の背景の時代は80年代、ちょっと懐かしさもあり、楽しめました。

 

★DVD鑑賞 「眉山」 2008228

 

 今日は、ガンに冒されながらも気丈に振る舞う母と、そんな母の秘められた過去の恋を辿ってゆく娘の強い絆を描いたさだまさし原作の「眉山」を観ました。 東京で旅行代理店に勤める咲子は、徳島で一人暮らしをしている母・龍子が入院したとの報せを受け、久しぶりの帰郷を果たす。咲子はそこで母が末期ガンであることを知る。元々江戸っ子の龍子は入院してもなお、何でも自分で決めてしまう。そんな母に寂しさを感じながら看病を続けていた咲子は、医師の寺澤と出会い、少しずつ心を癒されていく。そんな母からは死んだと聞かされていた父が今も生きていることを知った咲子は、母の人生を知りたいと、まだ見ぬ父のもとを訪ねるのだが…。
 映画のラストの徳島の阿波おどりのシーンは、圧巻です。踊りの列をはさんで見つめあう母と父、そしてそれをやさしく見つめる娘、思わず感激しました。見ごたえ十分の映画でした。

 

★DVD鑑賞 「舞子 Haaaan!!!」 2008228

 

 今日は、昨年公開された「舞妓 Haaaan!!!を観ました。修学旅行で訪れた京都で偶然出会った舞妓さん、お茶屋で遊ぶことを夢みた男の物語です。今流行りのオタクの話ですが、その描き方がユニークです。ミュージカル風の場面、テンポよい進み方、コミカルな会話など、予想外に面白かったです。こんな映画もたまにはいいかも知れません。

 

★DVD鑑賞 「アメリ」 2008226

 

 今日はレンタルDVDで、空想好きでちょっと変わった女の子の恋のお話を遊び心いっぱいに描いた心暖まるコメディ映画「アメリ」を観ました。主人公は、小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリという女の子。22歳になったアメリはモンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。そんなアメリは、あることをきっかけに他の人を幸せにすることに喜びを見出し、他人の人生にこっそりおジャマしては楽しいイタズラを仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。ある日、駅の写真ボックスでちょっと不思議な青年ニノに出会い、アメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ません。今までのアメリは、あまりにも自分の幸せには無頓着でした。果たしてその結末は・・・。この映画では、アメリ自身のセリフは少ないですが、背景に流れるナレーションと彼女の顔の表現で楽しめます。見ながら時折クスクス、声には出ない笑いがいっぱいの映画でした。

 

★DVD鑑賞 「バッチギ!LOVE&PEACE」 2008214

 

  2005年に公開された「パッチギ!」の続編として作られた「パッチギ!LOVEPEACE2007年公開を観ました。前作が青春篇としたら、今回は苦悩編かな?主人公アンソンの父の時代(戦時中)の物語を織り込んだ内容で、ちょうっとわかりずらいですが、なかなかの力作でした。続編というより別の独立した作品と考えれば、いいかも知れません。

 

★月に一回の映画鑑賞! 「恋するトマト」 2008123

 

 今月は、個性派俳優の大地康雄さんが企画、脚本、制作、そして自ら主演した映画「恋するトマト」を観てきました。何か社会性があるテーマで、娯楽として楽しめ、次世代に残せる映画に出演したいと自ら2005年に制作されたものです。
 物語は日本の農業を支える人たちの現実と苦悩を描き、また異国の地フイリッピンでの切なく愛おしい日本の中年男性と美しいフイリッピン人女性との恋を絡ませたラブストーリ?です。
 ちょっと作り方がぎこちないですが、彼らの気持ちストレートに観る者に届く映画でした。

 

2007 

 

★月に一回の映画鑑賞! 「善き人のためのソナタ」 20071212

 

 今月は、2006年ドイツ映画「善き人のためのソナタ」を観てきました。1984年、壁崩壊前の東ベルリン。主人公ヴィースラー大尉は、国家保安省(シュタージ)DDRのメンバーで国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。ある日彼は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった。そして、ドライマンがピアノで弾いた“善き人のためのソナタ”という曲を耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられてしまうのでした。またこの映画は統一後の旧東ドイツ市民の心に深く影を落とす“監視国家”の実態を明らかにするとともに、芸術家の監視を命じられた主人公が図らずも監視対象の考え方や生き方に影響を受け、新たな人生に目覚めてしまう姿をリアルに描き出す感動のヒューマン・ドラマです。ちょっと暗い映画ですが、次第に映画の中に引き込まれていくいい映画でした。でもこの事実がつい20年前にあったとは驚きでした。
 

★読売名画鑑賞会で「不撓不屈」 20071121

 

 今回は2006年に公開された「不撓不屈」を読売名画鑑賞会で観てきました。映画の原作は、ベストセラーとなった『不撓不屈』(高杉良著:20026)であり、一税理士と国税庁が日本経済史上、希有の死闘を繰り広げた「飯?事件」の実話に基づいたものです。。「飯?事件」とは国家権力と一税理士との前代未聞の闘争劇で、飯?毅は、信じ難い不撓不屈の精神で闘いぬき、ついに完全勝利したのでした。
 時代は昭和33年、東京オリンピック前の高度成長時代。誰もが幸せを信じ、ひたすら一生懸命に働いていました。でもそんな中、経営に悩む中小企業も多く、飯塚は節税対策のための{別段賞与}という制度を勧めていました。ところが国税局は脱税だと疑いをかけ、七年にも及ぶ国家権力との法廷闘争が始まったのでした。でもそんな彼を支えるのが妻と子供たちでした。
 この時代(昭和)を描いた「オリヲン座からの招待状」「ALWAYS 続三丁目の夕日」など作品は多いですが、違った視点から見た感じでした。同じ時代の光と闇のように・・・。

 

★試写かいにて「オリオヲン座からの招待状」 20071023

 

 今日、京都会館第二ホールでおこなわれた試写会に行って来ました。映画は、113日から全国東映系でロードショーされる「オリヲン座からの招待状」です。原作は浅田次郎、1999年に映画化され話題を呼んだ「鉄道員ぽっぽや」の最終編に所収され、長く映画化が望まれた物語です。
 京都の小さな映画館(小屋)オリヲン座を舞台に、亡き夫で館主の意思を受け継ぎ映画館を守り続けたトヨ、そしてふらりと映画館に飛び込み館主の弟子になった留吉、そんな二人の愛と優しい奇蹟の物語です。
 昭和30年代の京都の風景、優しくはんなりとした京言葉、そして当時上映された名作の数々、懐かしさともに古き時代の良さを感じました。ただグーと来るようなインパクトは無かったです。

 

★月に一回の映画鑑賞! 「花よりもなほ」 20071017

 

 今日は、カンヌ映画祭で最少年の最優秀男優賞を受賞し話題になった「誰も知らない」の監督・是枝裕和の「花よりもなほ」を観てきました。本当のようで嘘のよううな時代劇でした。
 時代は江戸時代元禄十五年、生類憐れみの令が出ていた頃の泰平な世の中、赤穂の侍たちが主君の仇を討とうとしていた頃でもありました。そんな時、父の仇を討つために江戸に出てきた侍、青木宗左衛門、彼が暮らす長屋の人々とのコミカルなお話でした。ただこの映画の中には、復習の連鎖を断ち切りたいという監督の意図が込められていました。そしてこの事は、今の世の中にも通じるものです。
 なお、映画の題名は、忠臣蔵の浅野内匠頭の辞世の句「風さよう花よりもなほ我はまた春の名残をいかにとやせむ」より付けられています。

 

★劇場映画鑑賞「めがね」 2007102

 

 7月にDVDで観た「かもめ食堂」の同じ監督(萩上直子)による「めがね」を観て来ました。誰もが「ふと旅に出たくなったり、一人になりたくなること」ありますよね。そんな女性タエコが訪れるた南の島でのお話です。
 島で彼女を迎えるのが、民宿ハマダの主人エージ、先客の謎の女性サクラ、島の高校教師ハルナ、そして後から彼女を追って来る青年ヨモギ。こんな三人の女性と二人の男性が繰り広げる、繊細かつ不思議な心のふれあいの物語です。物語の舞台は美しい南の島、何処までも続くコバルトブルーの海と自然豊かな風景、見ているだけで心が和みます。映画の中の出てくるセリフ、「何処へ行くでもなく、何をするでもなく、ただたそがれる」という言葉が印象的です。これは、人が本来が持っている姿なのかも知れません。
 行く先がわからなくなった時、その時が「たそがれとき」かも?そんな時は、ただまっすぐ歩いていけばいいのかも・・・。そしてこの時に役立つのが「めがね」かも知れませんね。
余談:ところでこの映画の撮影地は、鹿児島県与論島でした。私も若い時に与論島に約2週間滞在した経験があります。時期は夏でしたが、特に予定も立ててなかったし、一人で民宿に滞在しました。観光地は数箇所しかなく、さんご礁の海に素潜りしたり、与論城跡という唯一の高台でスケッチしたり、過ごしていました。また毎日、民宿近くで海に沈む夕焼けを見ていました。何だかこの映画とよく似た過ごし方をしていたなあと思っています。最近、私も「たそがれとき」を感じています。また行きたいです。

 

★月に一回の映画鑑賞! 「芙蓉鎮」 2007920

 

 中国映画の最高傑作といわれている「芙蓉鎮」を20年ぶりに観て来ました。文革の悲劇を正面から描いた初めての作品で、ある小さな町で米豆腐店を仲むつまじく営む夫婦、玉音(ユィン)と柱柱(クイクイ)。そんな夫婦や町の善良な人々に文革という侠気の嵐が荒れ狂い、翻弄され、その中で耐え忍びながら生き抜く姿が淡々と描かれていました。
 以前観たので、おぼろげにストーリは覚えていたのですが、再度観て感動しました。また2時間45分という長編ですが、間延びすることなく、楽しめました。

 

★DVD鑑賞「どろろ」 2007915

 

 手塚治虫の同名漫画を映画化した冒険活劇大作「どろろ」を観ました。。失われた元の体を取り戻すため魔物との闘いを繰り返す百鬼丸とそんな百鬼丸をつけ回す盗人・どろろが繰り広げる旅の行方を壮大なスケールで描き出す。監督は「黄泉がえり」「この胸いっぱいの愛を」の塩田明彦。そしてアクション監督は「HERO」のチン・シウトンです。
 物語は、戦乱が続き荒廃が進む世を憂う武将・醍醐景光は、国を治める力を手に入れるため、生まれてくる我が子の体48箇所を48体の魔物に差し出した。そして醜い姿で生まれ、そのまま捨てられた赤ん坊は、医師・寿海に拾われる。失われた部位の代わりとなる作り物の体と護身の妖刀を与え、百鬼丸として大切に育てるのだった。立派な青年に成長した百鬼丸は、魔物を倒すごとに失われた部位を一つずつ取り戻すことを知り、魔物退治の旅に出る。そんな百鬼丸と出会ったコソ泥・どろろは百鬼丸の不思議な妖刀を手に入れたくて彼の後を追い始める…。
 この物語は1969年フジテレビでアニメ「どろろ百鬼丸」として公開されています。この時のジャンヌは、時代劇ホラーでした。今回、それが初めて実写化され、さらにパワーアップしたみたいです。残念ながら以前のアニメは見ていません。ところで映画は、百鬼丸が体の24箇所を手に入れたところで終わっています。ということは「どろろ2」があるみたいです。

 

★月に一回の映画鑑賞! 「ライフ・イズ・ミラクル」 2007820

 

 今月の映画は、1992年内戦紛争直後のボスニア・ヘルツェゴニアのセルビア国境近くの小さな村を舞台にした「ライフ・イズ・ミラクル」でした。「パパは出張中!」「ジプシーのとき」などの監督クストリッツァの作品で、社会派の題材を独特のユーモアとヒネリをきかせた映画でした。
 鉄道技師の主人公ルカは、戦争が始るとというテレビのニュースにも気にすることなく、元オペラ歌手の妻とサッカー選手に憧れる息子とのんきに暮らしていた。でもそんな彼らにも次第に戦争の影響が・・・、息子は戦場へ駆り立てられ、なんと妻はハンガリー人ミュージシャンと駆け落ち、更に息子は敵の捕虜にと、のどかな彼の人生は急展開。そんな時、捕虜交換要員として彼の元に預けられたムスリム人の若い娘サバーハ、果たしてルカとサバーハの身に何かが芽生え始めるのか???
 ユーモアあふれる映画でありながら、戦争の悲惨さを訴えている映画でした。2時間34分という長い映画でしたが、長さをあまり感じませんでした。

 

★劇場映画鑑賞「憑神 つきがみ」 200730

 

 浅田次郎原作の痛快時代活劇「憑神 つきがみ」を観て来ました。。幕末の江戸を舞台、貧乏神・疫病神・死神という三人の災いの神様に取り憑かれてしまった下級武士・別所彦四郎、自分を見つめ直し奮闘していく姿をコミカルに描かれていました。代々将軍の影武者を務めてきた由緒ある家柄の次男彦四郎、文武両道に優れ将来を嘱望されていたが、ある事件をきっかけに婿養子に行った先から離縁され、兄夫婦のもとで肩身の狭い日々を過ごしていた。ある日、昌平坂学問所のライバルで軍艦頭取に出世した榎本武揚と再会し、彼が成り上がったのは、向島の“三囲(みめぐり)稲荷”にお参りしたお陰である、と耳にする。そのあと酔って転げ落ちた土手のふもとに“三巡(みめぐり)稲荷”を発見した彦四郎は、思わずお祈りするのだった。そして災いの神を呼び寄せる“みめぐり”違いのお稲荷様で、貧乏神と疫病神そして死神にまで取り憑かれてしまうというお話です。
 時代劇というより完全にコミカル・喜劇映画です。面白い映画でしたが、特に印象にも残りませんでした。でもたまには、こんな映画もいいかも(*^_^*)・・・。

 

★DVD鑑賞「ゆれる」 2007725

 

 ある出来事をきっかけに兄弟間に起こる心理的葛藤を描いた、ミステリー映画「ゆれる」です。都会で写真家として成功した弟(猛タケル)、田舎で頑固な父と共にガソリンスタンドを経営する兄(稔)の兄弟。父との折り合いが悪く、母の葬儀にも帰らなかった弟が兄の取りなしで一周忌に帰郷する。そんな兄弟が幼なじみでガソリンスタンドで働く智恵子と一緒の訪れた渓谷のつり橋で事故?事件が起きる。つり橋の上での兄と智恵子、そしてその時弟見た光景は・・・。幼い時から仲の良い兄弟、やがて成長し弟は都会へ、兄は田舎に残る、そんな二人の間に何が起こったのか?
 ちょっと内容が解りづらい映画ですが、何か心に引っかかる映画でした。観終わった後も映画の題名同様に私の心の中でもゆれていました。

 

 月に一回の映画鑑賞! 「フラガール」 2007719

 

 今日は、今年のアカデミー賞の受賞作「フラガール」を観て来ました。またお笑いの南海キャンディーズの山崎静代(しずちゃん)が出演したことでも話題になりました。時代背景は高度成長とエネルギー革命の昭和40年、そして場所は閉山に追い込まれてきた北国の炭鉱町。その会社と町の存続のための起死回生のプロジェクトとしてハワイアンセンターの建設が考えられ、その目玉として考えられたのが、フラダンスでした。
 まったくの素人炭鉱の娘たち?と東京から来たプロダンサーとの悪戦苦闘の始まり、笑いと涙の物語でした。最後のハワイアンセンター開園のフラダンスは見事、そして感極まりました。物語は実話をもとに作られ、その時代の背景やその当時の家族のあり方などが見事に描かれていました。また印象に残ったシーンは、映画の中で最初にフラガールに参加しながら、父の解雇で脱退し旅立ところです。その家族が行くところ、何と北海道夕張だったのです。彼らの先に待っていることを考えるとグーときました。
 この時代は、今のように便利な世の中でなかったし、生活は皆苦しかったかもしれません。でも将来に対して希望もあったし、人と人の間に心が通じていました。幸せな時代だったのかも知れませんね!映画を観て勇気づけられました。

 

★DVD鑑賞「かもめ食堂」 2007718

 

 荻上直子監督の長編第3作目、フィンランドのヘルシンキを舞台にした、日本人女性3人と地元の人々とのちょっと奇妙で心温まる交流を描いたコメディ映画「かもめ食堂」です。原作は、作家・群ようこが映画のために書き下ろしたオリジナル・ストーリーです。フィンランドのヘルシンキに「かもめ食堂」という小さな食堂をオープンした日本人のサチエ。おにぎりを看板メニューに、フィンランドの人にも日本食のおいしさを伝えたいと張り切る。やっと来た客は、日本のアニメが好きのオタク青年だけ。でもそれがきっかけで、訳ありの2人の日本人女性と出会い、少しずつお客も増えていくのでした・・・。
 何とも心地がよく、ゆったりと流れる時間そして取り留めの無い彼女らの会話と、心が和む映画でした。少し心が傷ついた方やストレスがたまっている方におすすめ映画です。

 

★DVD鑑賞「間宮兄弟」 2007712

 

 ベストセラー作家・江國香織の小説「間宮兄弟」を森田芳光監督が映画化したほのぼの人情コメディ。いい歳して仲良く一緒に暮らしている兄弟の平凡だけどささやかな幸せに満ちた日常が温かな眼差しで淡々と綴られいました。また独特のカメラワークと人間観察が面白かったです。
 東京の下町のとあるマンション。30代の現在も仲良く同居を続ける間宮兄弟。兄・明信はビール会社の商品開発研究員。弟・徹信は小学校の校務員。そんな2人は、しょっちゅう一緒に行動しては楽しく何不自由ない毎日を送っていた。それでもやはり恋人は欲しいもの。そこで2人はカレーパーティを企画、弟は同じ小学校の葛原依子先生を、兄は行きつけのビデオ店でバイトする女子大生・本間直美をそれぞれ招待することに成功するのだが…。果たしてその結末は・・・???
 兄弟のいない私にとっては羨ましいです。でも現実にはそうでないのかも?ところで題名の「間宮兄弟」、アルファベットに変換すると「MAMIYA」、まん中のMNに変えると「MANIYA」、この兄弟はマニア兄弟でした。(*^_^*

 

★DVD鑑賞「THE 有頂天ホテル」 2007710

 

 三谷幸喜監督が、オールスター・キャストで描くエンターテインメント映画「THE 有頂天ホテル」です。大晦日のホテルを舞台に、従業員と宿泊客それぞれが織りなす多彩なエピソードが盛りだくさんです。劇中で多用されているワンシーンワンカットの長回しや、自由なカメラワークを可能にする大規模なホテルのセットなども見事です。
 舞台は都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”、新年のカウントダウンパーティーまであと2時間、その成否はホテルの威信に関わり、これを無事終えることが副支配人の新堂平吉に課せられた責務。ところが、そんな新堂をあざ笑うかのように、思いも掛けないトラブルが次々と発生する。刻一刻と新年のカウントダウンが迫る中、従業員と“訳あり”宿泊たちを襲う数々のハプニング。はたして彼らは無事に新年を迎えることができるのか?
 個性あふれる豪華なキャスト、また多彩な小道具の数々、三谷幸喜ワールドがたっぷり味わえる作品でした。

 

★DVD鑑賞「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」 200774

 

 人情味溢れるファンタジー・コメディ「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」を観ました。漁港に近い小さな田舎町に暮らす9歳のわんぱく少年、花田一路。ある日、彼は自転車に乗っていてトンネルの前で大事故に見舞われ、奇跡的に九死に一生を得た一路、トンネルに住む不思議な幽霊少女と出会います。それ以来彼には幽霊たちの姿が見えるという不思議な能力が備わってしまう。そんな一路のもとには、様々な悩みを抱える幽霊たちがやって来ては願い事や相談を持ちかけるようになるのだった。そんな幽霊たちと少年の大冒険、ほのぼのとしたユーモラスな映画です。そしてそんなコミカルな内容ながら、幽霊たちを通して親子の絆が描かれていました。

 

★DVD鑑賞「地下鉄(メトロ)に乗って」 2007627

 

 浅田次郎の同名原作を篠原哲雄監督が映画化したファンタジー・ストーリー「地下鉄(メトロ)に乗って」です。地下鉄の不思議な出口を通じて過去へとタイムスリップしてしまった主人公が、若き日の父と出会うことで確執を抱えたままの父と和解していく姿を描く。主演は「ALWAYS 三丁目の夕日」の堤真一、共演に岡本綾、常盤貴子、大沢たかお。
 43歳の営業マン、長谷部真次はある日、父が倒れたという連絡を受ける。真次は父に反発して高校卒業と同時に家を出て以来一度も会っていなかった。そして、この日は若くして亡くなった兄の命日でもあった。そんなことを考えながら地下鉄の地下道を歩いていた彼は、前方を横切る男性にありし日の兄の面影を見て、思わずあとを追ってしまう。そのまま地下鉄を出た真次は、目の前に広がる見慣れない光景に驚きを覚える。やがて真次は、自分が東京オリンピックを目前にした昭和39年にタイムスリップしたことを悟り、その後何度なくタイムスリップし、若き日の父と出会い、父の夢や子供への愛情を感じるのでした。また物語では岡本綾演じる恋人が真次と一緒にタイムスリップします。これには重大な秘密があるのでした・・・。
 昔観た映画で、大林宣彦監督の「異人たちの夏」があり、内容こそ違いますが合い通じるものを感じました。ファンタジー
な内容でありながら、何故か親子間の愛情を感じました。

 

★劇場映画観賞「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」 2007624

 

 今日、半年振りに劇行映画を観に行きました。空前のベストセラーとなったリリー・フランキーの同名自伝小説の「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」です。
 1960年代、オトンに愛想を尽かし幼いボクを連れ、小倉から筑豊の実家に戻り妹の小料理屋を手伝いながら女手一つでボクを育てくれたオカン、1970年代、ボクは大分の美術高校に入学、オカンを小さな町に残し下宿生活を始めた。1980年代、ボクは美大生となり憧れの東京にやって来るが、仕送りしてくれるオカンに申し訳ないと思いながら自堕落な日々を送り、留年の末どうにか卒業したものの、その後も相変わらずフラフラした生活を送るボク。そしてやがてオカンを東京に呼び暮らすが、その幸せも長くは続かなかった・・・。
 温かく何故か切ない物語でした。思わず涙、いや我慢、よかったです。

 

★月に一回の映画観賞ニューシネマパラダイス」 2007620

 

 今から17年前、感動し、観終わってからも暫く席を立てなかった映画「ニューシネマパラダイス」を観て来ました。当時、この映画を観に行く為に大阪まで出かけました。この年の観た映画は149本、今から思えば嘘のようです。この年の洋画ベスト3は、@「ニューシネマパラダイス」A「菊豆」B「フィールド・オブ・ドリーム」でした。邦画のベスト1は、黒澤監督の「夢」。この時代にはシネコンはなく、映画会社直営の映画館やミニシアターなどいろんな形態の映画館があり、休日に映画館をはしごするのが当たり前でした。そのな時に観たのが「ニューシネマパラダイス」です。この映画の内容もまさに良き映画の時代のイタリアのシチリアの小さな町のお話です。
 物語は、主人公トトが少年期や青年期を回想するように描かれています。戦後間もないシチリアの小さな村、戦地からの父を待つトト少年、彼の楽しみは親の目を盗んで村の唯一の映画館パラダイスへ通うことでした。そして彼の心を魅了したのは、映写室と映写技師のアルフレードでした。トトは、アルフレードからいろんな話を聞き、学びます。映画、人生、恋・・・など、アルフレードと過ごしのこの時期は、トトにとってまさにパラダイスでした。青年になったトトにアルフレードは忠告します。「シチリアにいると、ここが世界の中心のように思えてします。だからここを去れ、決して戻って来るな」と。
 映画のラストシーン、亡くなったアルフレードからトトへのプレゼント、やっぱり感動しました。いい映画は何年なっても感動します。これを書いている今も余韻が残っています。
※成長したトトが30年ぶりに初恋のひとと再会する物語が盛り込まれた、3時間の完全版あるみたいです。是非観てみたいです。(*^_^*

 

★月に一回の映画観賞ククーシュカ ラップランドの妖精」 2007523

 

 今日の映画は、2002年度ロシア映画「ククーシュカ ラップランドの妖精」です。ムーミンやサンタクロースでおなじみの森と湖に囲まれた北欧・フィンランドが舞台です。1944年の第二次世界大戦末期、フィンランド最北端のラップランド地方で起きたおとぎ話のような映画です。反体制の濡れ衣で護送中に味方の誤爆で重傷を負ったロシア人イワン、偶然通りかかり彼を助け自分の小屋に連れて行くサーミ人の女性アンニ、反戦態度が問題視され同盟国のドイツ軍の服を着せられたフィンランド人のヴェイッコが小屋に・・・。フィンランド語、ロシア語、サーミ語と彼らの会話はまるで噛み合いません。でもいつしか心が通じ合い、奇妙な共同生活が始まるのでいた。
 映画はまるで大人の童話です。生命の大切さ、戦争の無意味さを淡々と描かれていました。

 

★読売名画鑑賞で「釣りバカ日誌17」を・・・ 2007517

 

 ご存知「釣りバカ日誌17」です。副題、あとは能登なれ ハマとなれ!加賀百万石の城下町、古都・金沢を舞台に、名コンビ、ハマちゃん&スーさんが大活躍。ヒロインには石田ゆり子、その他、多彩なゲストが豪華に共演。監督は、シリーズ4連投となる朝原雄三。
 かつて社長秘書を務めるなど鈴木建設のマドンナ的存在だった沢田弓子が7年ぶりに職場復帰、会社の再雇用制度で契約社員としてハマちゃんの在籍する営業三課に配属された。社長の一之助や営業三課の面々は弓子を大喜びで迎えるが、エリート証券マンと結婚して幸せに暮らしていると思われた彼女の再就職には、案の定、人に言えない深い事情があったのだった…。
 ところで今回、ハマちゃんとスーさんの釣り場面がゼロでした。高齢のスーさん役の三國連太郎さんにはハードな撮影がダメなのかも?

 

★月に一回の映画観賞グッドナイト&グッドラック」 2007422

 

 1953年アメリカの「赤狩り」という不当な権力と闘ったニュースキャスターのエド・マローを描いた作品、2005年度アメリカ映画「グッドナイト・グッドラック」です。当時のニュース・フイルムを交え、あえてモノクロ映画として仕上げられています。
 最初、モノクロ映画でセリフの多さ、わかりにくい人物関係と物語の中に入り込めなかったです。でも次第に、ニュースキャスターの軽快な言葉とその合間の軽快な音楽に馴染めていると面白くなってきました。
 エド・マローとは、現代の報道番組の礎を築いたといわれ、後に報道のCBCと言われるようになりました。ところで映画の題名の「グッドナイト・グッドラック」とは、彼が番組の最後に発した言葉です。

 

★読売名画鑑賞で「明日の記憶」を… 2007328

 

 今日、久しぶりの読売名画鑑賞会の映画に行って来ました。若年性アルッハイマーを題材にした映画「明日の記憶」です。広告代理店の営業部長で50歳、仕事は順調で家庭も円満、結婚間近の娘を持つ、幸せないっぱいな主人公。そんな主人公に突然襲う病魔、記憶を徐々に失う難病でした。次第に仕事にも支障が出だし、職場を去ることに・・・。そして妻と二人で病魔との戦いが、でも症状は進み、妻のこともわからなくなってしまうのでした。映画の描き方は主人公の目線からで、時には激しく、またやさしく描かれています。それだけに映画を観て、せつなさを感じました。

 

★月に一回の映画観賞「博士の愛した数式」  2007322

 

 日は、「博士の愛した数式」を観て来ました。10年前の交通事故で80分しか記憶が持たない天才数学博士、そんな彼のもとに1人の家政婦が派遣される。彼女はシングルマザーで10歳の1人息子がいる。そして毎朝、彼女の「こんにちわ!新しい家政婦です」、そして博士の「君の靴のサイズは?」という会話から始るのでした。やがてそこに彼女の息子が加わり、笑いの絶えない日々が・・・。博士は、何を喋っていいかわからない時には、言葉の代わりに数字を使う。ただ博士が話す数式は、小難しいと思われることなく、どれも温かく美しいのです。たとえば、彼女の息子の頭の形を見てルート(√)と名づける。「どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号だ。ルートだよ。」というように。こんな博士と出会えれば、誰でも数学が好きになるかも?

 

★月に一回の映画観賞「スタンドアップ」  2007226

 

 1989年ミネソタ北部の炭鉱という男の職場で生きていくため、ひとりの女性が立ち上がった物語「スタンドアップ」を観てきました。今でこそ男女平等として女性は男性と同等に働く事ができます。でも当時のアメリカ、炭鉱などは男性の職場されていて、そこで女性が働こうとしたら女性蔑視で大変でした。
 主人公の女性ジョージーは、十代でシングルマザーになり、今また父親の違う子供を連れ、実家に戻り、世間の冷たい視線にさらされなが自立しようと炭鉱で働くのでした。そんな彼女や同僚の女性に浴びせられる嫌がらせ(セクハラ)はすごいものでした。がまんし続けた彼女も会社と組合に対して立ち上がる(スタンドアップ)のでした。そしてそんな彼女の行動に、最初は付いてこなかった同僚や頑固な父親までが・・・。
 男女平等の社会と思われたアメリカ、でも実は日本より遅れていたのかも?だからこそセクハラ問題が注目されるのかも知れませんネ!

 

★月に一回の映画観賞白バラの祈り ゾフィー・シェル、最後の日々」 2007123

 

 今月の映画は、ヒトラー政権下に立ち向かった21歳の女性ゾフィー・ショルの最後の5日間を描いた2005年ドイツ映画「白バラの祈り」を見てきました。昔、白バラメンバーを描いた「白バラは死なず」を見たことがありますが、今回の作品をそのメンバーの一人で女性のゾフィー・ショルを描いたもので、反ナチスのビラをまき反逆罪で取調べを受ける彼女の立ち向かう姿勢がすごいです。取調べの後半には尋問官の心までも動かしてしまうのです。最後の裁判のシーンも迫力があり、見るものの心まで動かされました。
 また戦後50年間封印されたゾフィー・ショルの最後の5日間の秘密、90年代になってゲシュタボの尋問記録が明らかになり、克明に描かれた映画でした。

 

★劇場映画観賞「武士の一分」 200715

 

 山田洋次監督による「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く藤沢周平原作時代劇の第3弾「武士の一分」を観て来ました。小藩の下級武士である主人公が、妻との幸せな生活を踏みにじられ、一人の男としての尊厳(武士の一分)を懸け毅然と立ち上がる姿が描かれた映画です。主演の武士に木村拓哉と話題の映画でもあります。 
 山田洋次監督の作品らしく、人の優しさが深々と伝わってくる内容で、すばらしい映画でした。また主人公・木村拓哉の立ち回りもすばらしかったです。

 

2006

 

★月に一回の映画観賞「歓びを歌にのせて」 20061219

          

 今日は、スウェーデン映画で、2005年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた感動ドラマ「歓びを歌ののせて」を観てきました。主人公は世界的な指揮者ダニエル・ダレウス、心身共に疲弊した末に引退して故郷の小さな村に戻り、純朴な人々と音楽を通じて交流を深めるうちに、再び音楽の歓びを呼び覚していく姿が描かれうました。どんな人でも何かと心に傷を負っています。そんな心の傷を癒してくれるのが、音楽であり歌だと思いいました。観終わった後、清々しい気持ちになれました。

 

★月に一回の映画観賞「火火 ひび」 20061025

 

 今月の日本映画2005年度作品「火火」です。女性陶芸家の草分けであり、長男の病気を切っ掛けに骨髄バンクを立ち上げた、信楽の神山清子さんの真実の物語です。陶芸に打ち込む彼女の姿はパワフルで、その生き様もすごい!真に釜で陶器を焼く時の火のごとく、激しく、見ている観客を包み込みます。そしてラストシーンでは、思わず涙・・・。

 

★月に一回の映画観賞「やさしくキスをして」 2006920

 

 今月はイギリス映画「やさしくキスをして」です。スコットランドのグラスゴーでアイルランド女性の音楽教師とイスラム系移民二世の男性DJが出会い、やがて恋に落ちます。でも二人は習慣、宗教が異なり、家族や社会から反対されます。二人の心は大きく揺れ動き、切なく美しい愛の始まりです。果たして二人の行く末は・・・。

 

★月に一回の映画観賞「ヒトラー〜最期の12日間〜」 2006720

 

 雨が降り続きジメジメ、そんな中いつもの映画会へ行って来ました。今月の映画は、「ヒトラー〜最期の12日間〜」でした。名前の通り第二次世界大戦ドイツの独裁者ヒトラーを敗戦直後のベルリンを舞台に描いた作品です。
 映画は、ヒトラーの女性秘書トラウドゥル・ユンゲの視点から描かれていて、ヒトラーを取り巻く女性や子供たちも登場します。それだけに人間ヒトラーが描かれ、強烈な印象を受けました。彼は独裁的でありながら、やさしい面もあり、そして孤独でした。ただ残念ながら勉強不足で、登場人物のつながりがわからなく、映画の中にどっぷり浸かる事は出来ませんでした。

 

★月に一回の映画観賞「樹の海」 2006621

 

 年間の自殺者が34千人を超える自殺大国日本、そして自殺の名所?としてあまりにも有名な富士山麓の青木ヶ原樹海、そこを舞台にした生と死の映画「樹の海」を観てきました。映画は4つのエピソードからなり、それぞれの物語が微妙に交差し、自殺という題材の中に生きようというメッセージが込められています。そしてエンディングに流れる「遠い世界に」が心に残りました。

 

★DVD鑑賞「ALWAYS 三丁目の夕日」  2006615

 

 2005年に公開され日本アカデミー賞を受賞した昭和30年代を描いた人情ストーリーALWAYS 三丁目の夕日」をレンタルDVDで観ました。誰もが明るい未来を信じていた昭和30年代の東京下町を舞台にした心温まる人間模様、戦争から開放され、また戦争の傷を引きずっていたこの時代、私の子供の時代とオーバラップして懐かしさとともに心で涙しました。

 

★読売名画鑑賞で「笑の大学」を・・・ 2006524

 

 しぶりに仕事を早めに切り上げ京都会館で観てきました。今回の映画は、三谷幸喜脚本の「笑の大学」でした。
 太平洋戦争突入前の昭和15年、戦意高揚のために娯楽が取り締まりの対象になり、演劇の台本も検閲される時代。そんな中、取調室で繰り広げられる一人の喜劇作家と堅物な検閲官の台本の中の”笑い”をめぐる激しい攻防。でも次第に二人の間に奇妙な連帯感が生まれるのでした。名優・役所広司とSMAPの稲垣吾郎の間で交わさせる会話の面白いこと、さすが三谷幸喜の脚本です。

 

★月に一回の映画観賞「Ray レイ」 2006515

 

 今日はアメリカ・グラミー賞を12回受賞した20世紀の音楽界を代表する天才ソウルのカリスマ、レイ・チャールズの伝記的映画Ray・レイ」を観て来ました。一言で言ってすごい!感動しました。2時間32分という長編映画ながら、「あっ」というまに終わったという感じで、映画を堪能出来ました。

 

★月に一回の映画観賞「大統領の理髪師」 2006418

 

 今月は韓国映画、イム・チャンサン監督2004年度作「大統領の理髪師」を見てきました。妻と子供愛するごく普通の町の理髪師ソン・ハンモ、たまたま町が韓国大統領官邸のお膝元だったために、大統領の理髪師になることに・・・。そして数奇な運命に翻弄されることになるのです。映画は1960年代初頭から70年代末までの韓国現代史を背景に描かれていて、胸にズシーンとくるシーンもあり、ちょっと考えさせられました。ただ時折コミカルなシーンもあり、楽しめました。社会風刺的に描きながら、コミカルなところもありイタリア映画風な感じを受けました。

 

★月に一回の映画観賞「バッチギ!」 2006322

 

 今日は1968年の京都を舞台にした激しく悲しい青春映画「バッチギ!」を観て来ました。日本と在日朝鮮の高校生たちの間で繰り広げられる喧嘩と友情そして恋愛、そして映画で流れる「イムジン河」や懐かしいフォークソング・・・、良かったですよ!喧嘩のシーンが多く、荒っぽいかなあと思いつつ、正しくこれが青春かなあと。

 

★月に一回の映画観賞「やさしい嘘」 2006226

 

 雨降りの日曜日、予定を変更し月に一度の自主映画会へ行って来ました。今月はフランス・グルジア合作の「やさしい嘘」でした。旧ソビエトのグルジアに住むエカおばあちゃんと娘と孫、そんな家族にフランスの住む息子オタールの不慮の死を伝える電話が・・・。息子をこよなく愛するエカおばあちゃんを悲しませたくない娘マリーナと孫のアダ、まだ生きているかのように嘘をつき、嘘の手紙を書き続けるのでした。やがてエカおばあちゃんはオタールを心配し、思わぬ行動を起こすのです。
 そして愛する家族のためについた嘘に誘われるかのように、三世代の女たちはパリへと旅立つのでした。やさしい嘘をめぐり交差するそれぞれの想い、暖かく感動の涙するラストが・・・。

 

★月に一回の映画観賞「ニューオーリンズ・トライアル」 2006125

 

 今日は、昨夜見てきた映画「ニューオーリンズ・トライアル」の感想を書きます。2003年アメリカ映画、陪審法廷をめぐる激烈な情報・心理・知能のバトルの映画です。また物語の根底には、悩める銃世界のアメリカが描かれています。
 銃乱射によって夫を殺害された未亡人が犯行に使われた銃の販売製造責任をめぐり民事訴訟を起こし、それに選ばれる陪審員たちへの裏工作の話です。そして原告・被告両弁護士に謎の陪審員9番目の男と謎の女が、ある目的のため「陪審員売ります」というメモを送り込んで来られるという、ちょっとややこしい話に・・・。そのためか最初からセリフが多く、もちろん字幕を読むのですが、疲れる疲れること。ここでギブアップするかも。でもあっという間に1時間が経過・・・。特に後半が面白く、どういう結末になるかワクワクドキドキ・・・。
 映画の中に陪審コンサルタントという聞きなれない職業が出てきます。陪審員たちの情報を収集し、弁護士が陪審員の選定に使うらしいです。

 

2005

 

★月に一回の映画観賞「雨鱒の川」 20051220

 

 今日の映画は、「がんばっていきまっしょい」「解夏」の磯村一路監督の「雨鱒の川」で、雄大な北海道を舞台にした、淡く切ない初恋物語です。父を亡くし、母の無償の愛で包み込まれるように育てられ、絵を書く事の好きな少年(心平)と聴覚が不自由な幼なじみの少女(小百合)との純愛ラブストーリーです。
 舞台が北海道なんですが、広大な畑、美しい川、そして遥か彼方に見える山々、心が和みました。また少年心平が川でアメマスに出会うシーンは、幻想的なファンタジックな映像で描かれて楽しかったです。
参考:アメマス(エゾイワナ)サケ科サケ亜科イワナ属、海へ降りる降海型(アメマス)と一生海には降りない陸封型(エゾイワナ)が存在します。体長1470cm

 

★読売名画鑑賞で「スウィングガールズ」を 20051215

 

 今日の映画は、「ウォーターボーイズ」の矢口史晴監督の作品「スウィングガールズ」でした。東北の高校を舞台に、ひょんなことからビックバンドを組み、スウィング・ジャズの演奏にはまっていく女子高生たちと一人の男子高生の青春音楽映画です。主演は「チルソクの夏」の上田樹里、「ウォーターボーイズ」同様コミカルで楽しい映画です。最後の東北音楽祭での彼女らの演奏は、見ている観客もスウィングしてしますかも?

 

★読売名画鑑賞で「誰も知らない」を 20051122

 

 二ヶ月ぶりの名画鑑賞の映画を観に行って来ました。今回の作品は、2004年度シネカノン配給、カンヌ映画祭で男優賞など多数受賞し話題になった「誰も知らない」です。1988年に実際にあった事件をモチーフに作られた作品で、ドキメンタリー映画の演出を手がけてきた堤枝裕和監督によるもので、胸をかきむしられるほどインパクトのある映画でした。
 母に棄てられた?四人の子供たち、長男の明は健気にも兄弟の世話をするのです。そんな明も思春期を迎え友達と遊びたい、学校に行きたいなど、そんな気持ちを閉じ込めるかのように・・・。「助けてほしい〜」と明の目は、周りの大人たちに訴えるのに・・・。そして悲しい結末に、映画を観ていて「切ない気持ち」になったのは、アニメ映画の「蛍の墓」以来かな?

 

★月に一回の映画観賞「延安の娘」 20051012

 

 今月の映画は中国を描いた日本人スタッフによるドキメント映画「延安の娘」です。今から30年前、1960代〜1970年代にかけて中国の革命指導者の毛沢東により推し進められた都市の労働者と学生などを農村に移住させる下放(かほう)し紅衛兵へ、しかしそこには厳しい現実が待ち受けていたのです。そして文革の残留孤児として一人の娘、海霞(ハイシア)が生まれ、棄てられたのです。映画はハイシアが実の両親を探すことからはじまり、その彼女のために疾走する一人の男、黄玉嶺(ホアン・ユーリン)も学生で下放した一人です。映画は毛沢東の下でゲリラ戦を戦った老紅軍の老人たち、同じ下放した人たち、ハイシアの養父母、そしてハイシアの実父などの会話が折りこめられ、実に迫力あるドキュメンタリーに仕上がっていました。30年の時を経て、いま50歳の働き盛りを迎えた紅衛兵たちの中には、政治・経済の両面で大きく変貌を遂げた中国社会から見捨てられようとする者も多い。黄玉嶺の「命を賭けたあの革命とは何か?このままでは自分たちの存在が歴史の中の闇に葬り去られてしまう」の最後のセリフが心にしみました。尚、映画の舞台の延安とは、黄土高原が果てしなくつづく中国革命の聖地です

 

★読売名画鑑賞で「隠し剣鬼の爪」を 2005921

 

 いつも空いている映画会ですが、時代劇なので混んでいました。作品は、山田洋二郎監督の松竹映画「隠し剣鬼の爪」です。藤沢周平の隠し剣シリーズ「隠し剣鬼の爪」に男女の愛を描いた「雪明り」を加えた物語で、前作の「たそがれ清兵衛」同様に豊かな人間描写とコミカルな作品でした。

 

★月に一回の映画観賞「モーターサイクル ダイアリーズ」 2005920

 

 先月お休みした京都映画サークルの例会に行って来ました。今回の映画は、ロバート・レッドフォード製作、「セントラル・ステーション」で世界的に注目を集めたブラジルのウォルター・サレス監督のイギリス・アメリカ合作作品で、キューバー革命の指導者の一人チェ・ゲバラの青春の1ページを描いた「モーターサイクル ダイアリーズ」です。
 物語は、裕福な家庭に生まれ、ぜん息もちで生真面目な青年エルネストと陽気な先輩アルベルトと南米大陸縦断の旅に出るロードムービです。旅の中でエルネストは生真面目ゆえに色んな事に悩み、トラブルに巻き込まれ、その都度先輩アルベストが助け舟を出してくれるのという、二人の友情あふれる物語でした。そして旅が終わろうとする頃、エルネストの心の中に確実に変化が起こるのです。この映画を観て、キューバー革命の指導者チェ・ゲバラという人物の側面が見られた思いです。

 

★新しい映画館で・・・「スターウォーズ エピソードV」 2005913

 

 今年新しく出来た京都JR二条駅前のTOHO CINEMAS「スターウォーズ エピソードV」を見に行って行きました。あらかじめパソコンから予約していたのでスムーズに入館。前もって今までのW・X・Y・T・UとDVDで復習しての鑑賞です。映画は、シスとジェダイとのライフセーバーでの戦いが見ものでした。また監督のジョージ・ルーカスが、この映画を通して本当に言いたかった事が描かれていると思いました。そして迫力ある音響と大画面で映画は堪能できました。私の家からのアクセスもよく、またたまには映画館へ行きたいですね。尚、この日はレイトショーでしたので、帰宅したのは深夜でした。

 

★一年ぶりの映画館へ「釣りバカ日誌16 2005911

 

 雨の中、上映開始ギリギリに映画館へ入る。1年ぶりの映画館での映画です、ご存知ハマちゃんの「釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪」です。今回の舞台は長崎、マドンナは伊東美咲で、父親役に尾崎紀世彦、恋人役に金子昇、そしておとぼけ外人のボビー・オロコンが絡んでくるのです。いつもながら最後まで笑い転げました。

 

★月に一回の映画観賞「美しい夏のキリシマ」 2005720

 

 今月の映画は、2002年度黒木和雄監督作品「美しい夏キリシマ」でした。時代は太平洋戦争が終わろうとする1945年の夏、場所は南九州霧島地方、この物語は黒木監督の少年時代をもとに描かれている。終戦を堺にすべての人の生き方が変わるのです。それまで常に死というものを考えてきた人たちが、終戦を堺に生きるということを考えなければならなくなるのです。この時代に生きた人々の苦痛を感じられる映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「名もなきアフリカの地で」 2005622

 

 今回は、女性作家シュテファニー・ツヴァイクの自らの少女時代の体験をもとに描いた、1995年ドイツでのベストセラー小説が原作の2001年ドイツ映画「名もなくアフリカの地で」でした。ユダヤ人家族がナチスの迫害から逃れるためにドイツから異国の地アフリカで暮らした話でした。ドイツでの記憶が断片でしかない少女レギーナ、いつしかドイツへ戻ることを夢見る弁護士の父、なかなか異国の地の文化や生活になじめない母。そんな中、少女がアフリカのすべてを受け入れ、すくすくと育っていくのに反し、祖国を離れ、祖国の家族の安否もわからない父や母は、苦悩するのでした。そんな時、賢明な料理人オウアやケニアの子供たちが家族に優しく接してくれたのでした。やがて戦争が終わり、祖国(ドイツ)へもどる日が来るのでした。映画はこんな悲しくも切ない話ですが、リズミカルなアフリカ音楽や美しい自然の景色に、観る側の私たちも癒される感じを受ける映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「チルソクの夏」 2005517

 

 月の映画は、「半落ち」の佐々部清監督の2003年に作られた日韓に芽生えた初恋物語を描いた「チルソクの夏」でした。時は1977年、山口県下関市と韓国・釜山市の親善事業として毎年行なわれていた日韓高校生の陸上大会、釜山市の大会で知り合った高校二年生のアンと郁子、来年の夏の大会での再会を誓うのです。そしてお互いに手紙を通して淡い恋を育むが、その時代には、それぞれの親たちには昔の戦争というわだかまりがあったのです。またアンと郁子らも将来に対する不安な時期なのです。そして季節は冬から夏へ・・・。映画のバックには、懐かしい70年代のメロディーが流れ、私のはちょうっぴり懐かしさが。特にイルカの「なごり雪」が耳に残りました。参考までにチルソクとは、韓国語で七夕です。

 

★月に一回の映画観賞「真珠の耳飾りの少女」 2005421

 

 今月はイギリス映画の「真珠の耳飾りの少女」です。皆さんご存知のようにオランダが生んだ光の魔術師と呼ばれた、画家ヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を題材にした映画です。名作が生まれるまでの経緯やその裏に隠れる悲しく切ない事実が描かれていました。映画そのものも絵画のようで美しい作品でした。

 

★月に一回の映画観賞「藍色夏恋 あいいろなつこい」 2005323

 

 今月の映画は、台湾映画の青春映画「藍色夏恋」でした。高校生の二人の女の子と一人の男の子の織り成す青春の物語です。主人公の女子高生のモン・クーロンは、親友に代わって親友が恋した男の子に気持ちを伝えることから、物語は始まります。モンはその男の子との微妙な関係と、誰にも言えない自分の気持ちに戸惑い悩む。思い悩み苦しむ、これが青春なんと、今の日本人が何処かに忘れてきた大切な気持ちを思い起こさせてくれる映画でした。アジアの映画には、ハリウッドにはない親近感と共感を深く覚えます。

 

★月に一回の映画観賞「グッバイ、レーニン!」 2005215

 

 今回は、ベルリンの壁を描いたドイツ映画「グッバイ、レーニン」です。東ベルリンに住むクリスティアーネは、夫が西ドイツに亡命して以来一人で息子と娘を育てていた。それゆえ祖国東ドイツに忠誠心を抱き、生きがいにしていた。そんな時、突然の心臓発作で昏睡状態になり、息子のアレックスは献身に看病するのです。奇跡的に母クリスティアーネは目覚めるが、時代が急激に変わりベルリンの壁の崩壊、東西ドイツの統一。アレックスは、「こんな事を知ったら、母はショックを受ける」と、母を思うばかりに、あらゆる手段を使ってベルリンの壁の崩壊や東西ドイツの統一などを隠し続けるのでした。ある時母から父が亡命していった事実を聞かされる。母は息子や娘を守る為に父を追って亡命しなかった事も・・・。やがて母は再会した父や息子らに見とめられ、ベルリンの壁の崩壊などの事実も知らずに息を引き取るのでした。壁によって引き裂かれた家族、でも母を守るために自ら壁を作ろうとした息子たち、悲しくも心温まる映画だした。

 

★月に一回の映画観賞「東京原発」 2005124

 

 今日は、ちょっとゆったり映画が観られました。それは邦画(日本映画)からです。字幕を読むのが最近、ちょっとつらいからです。今回の映画は、2002年に公開された「東京原発」という映画で、どこの誰かとは言いませんがカリスマ都知事の「東京に原発を誘致する!」という一言から、幹部職員とのやり取りが始まります。ちょっとコミカルな中にも、一本芯が通った映画でした。奇想天外なタイトルですが、今の原発の現状が明らかになり、勉強になりました。

 

2004

 

★月に一回の映画観賞「飛ぶ教室」 20041222

 

 今年最後の京都映画サークルでの映画鑑賞です。今回は、ドイツの国民的作家エーリヒ・ケストナー「飛ぶ教室」を原作とした映画「飛ぶ教室」でした。転校生ヨナサンを中心に寄宿舎生活を送る個性あふれる5人の子供たちが起こす、色んな出来事を描いた物語でした。他のグループとの雪合戦、ケンカ、女の子との淡い恋、夜の寄宿舎での枕投げ、そして最後にクリスマスの校内発表劇(ラップダンスのミュージカル飛ぶ教室)など、ドイツ版「ハリー・ポッター」といった内容です。この映画では、学校の規則より友情が何よりも尊いというケストナーのメッセージ、人を愛することの大切さを私たちに温かく伝えてくれました。

 

★月に一回の映画観賞「草の乱」 20041116

 

 この映画は、誕生間もない明治新政府を背景に起こった「1884年の秩父事件」を題材にしたものです。明治維新後、西欧列強型の帝国主義を目指す新政府は、軍備の為たばこ税・酒税・印紙税・車税など増税を強行し、民衆を苦しめます。そんな中、自由と民主主義を目指す思想が芽生え始め、困窮した時代背景に民衆の不満が頂点に・・・。1884年前後に各地で民衆の蜂起が連鎖し、その一つが秩父事件なのです。今、同じ様な事が私たちの周りで起こっていると、この映画を観て感じました。デフレ、不況、軍事増強、弱者切捨て・・・など。

 

★月に一回の映画観賞「HIBAKUSHA 世界の終りに」 20041013

  

 最近、ドキュメンタリー映画が面白いですね。そんな中、自主映画鑑賞団体の映画会でも 被爆者から見た世界を描いたHIBAKUSHA 世界の終わりに」というドキュメンタリー映画が上映されました。監督は鎌中ひとみさんという女性です。彼女は湾岸戦争後で経済制裁下のイラクに入り、薬がないまま亡くなる14歳の白血病の少女ラシャに出会うのです。そして後にその原因が戦争で使われた劣化ウラン弾による被爆(ヒバクシャ)であると知るのです。その事実を教えてもらったのが、広島で自ら被爆にあいながら被爆治療に専念する医師との出会いなのです。映画では、原爆や劣化ウラン弾を作り続けたアメリカの施設周辺の人々、日本の原発事情など徐々に恐ろしい現実へと進んでいきます。今、日本で生活する私たちも他人事でないと考えさせられました。

 

★月に一回の映画観賞「ベッカムに恋して」 2004922

 

 イギリス映画「ベッカムに恋して」というタイトルから、あまり期待はしていなかったです。でもいい意味でその期待を裏リり、良かった〜です。インド系イギリス人家庭でベッカムに憧れ、サッカーへの夢を持つ一人の少女ジェス。そんな彼女の前に地元女子サッカー選手のジュールズが現れる。やがて彼女との友情が目覚め、そしてプロサッカー選手への夢も膨らむ。しかしインド人であるがゆえにクリケット選手の夢を諦めざるえなかった父の苦い思い出など家族からの反対、そしてコーチとの淡い恋など揺れ動く少女の姿が描かれています。でもその描き方がちょっぴりコミカルで面白かったです。

 

★テレビで「ボウリング・フォー・コンバイン」を観る 2004918

 

 今話題の映画「華氏911」の監督マイケル・ムーアの前作の「ボウリング・フォー・コロンバイン」がテレビで放送されたので、ビデオに録画し観ました。すでにスクリーンでこの映画を観た息子によると、テレビ用にカットされたり、吹き替えだったので字幕の時と少しセリフが違ったようです。でもそれなりに映画は堪能出来ました。内容は皆さんご存知と思いますが、アメリカのコロンバイン高校での生徒による銃乱射事件を題材にした映画です。この事件の背景にはアメリカの銃社会があるのですが、それだけではなく人々の恐怖心をあおる政治的な影が見え隠れしているのも事実だと思いました。銃というものが身近にない私たちですら、年々犯罪が凶悪化して来ています。その背景にはやはり何か目に見えない恐怖心があるのかも?

 

★本当に久しぶりの映画館へ「釣りバカ日誌15 2004829

 

 何年ぶりだろう、景品に誘われ映画「釣りバカ日誌15」の前売り券をかった。そして今日、夕食後映画館へ行く。あまりに綺麗になった映画館にビックリ!浦島太郎になった感じだ。映画はご存知のシリーズで感想は特になし・・・。たまには映画館へ行くのもいいなと思った。でもなにせ料金だ。

 

★月に一回の映画観賞「この世の外へ クラブ進駐軍」 2004825

 

 今日は久しぶりに日本映画でした。時代は1947年、日本の敗戦2年後の焼け跡が残り東京を舞台に米軍基地クラブに雇われジャズを演奏するバンドマンの若者たちの物語でした。戦中も隠れてジャズを聴いていた者、ただ楽器が出来たので加わった者、楽譜も読めずジャズも知らずに加わった者などメンバーはそれぞれ違うきっかけだ。そして演奏する基地クラブには、戦争の勝者の米軍の軍人たちが、でもそんな中で音楽と言う共通するもので次第に心が通じ合う。しかし、そんな時朝鮮戦争というもう一つの戦争が勃発し、悲しい別れが・・・。音楽(ジャズ)で芽生えた友情も戦争によって引き裂かれる、悲しい事に今も続いているのです。

 

★月に一回の映画観賞「クジラの島の少女」 2004720

 

 何か不思議な映画でした。「祖先はクジラに乗ってやってきた」という神秘的な勇者伝説を信じるニュージランドのマオリ族の少女パイケアのお話でした。生まれて間もなく母と双子の兄が亡くなり、代々世継ぎは男だという頑固な祖父コロとも心が通じない・・・。そんな時マオリ族の終末の暗示とも思わせる出来事が、その時に無謀とも思うパイケアの行動が奇跡を呼び起こす。一人の少女の行動が、美しい海とともに暮らすが、生きる目的を見失かけたマオリ族の人々に笑いと活気をもたらすのです。観ている私たちにも生きる勇気を与えてくれる映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「フリーダ」 2004516

 

 いつものように毎月の京都映画サークルの映画上映に行って来ました。今月は、限りない自由と情熱に燃え尽きた画家フリーダ・カーロの生涯を描いた「フリーダ」でした。映画の描写も絵画を観ているような感じにで、すごく画面に引き込まれるよう感じで、見終わった後も余韻が残りました。フリーダのことは、この前テレビで何か特集していて、是非観てみたい映画だったので満足です。彼女の生き方、そして絵には何か心が引かれるものありました。

 

★月に一回の映画観賞「WATARIDORI」 2004420

 

 今日は、月に一度の映画鑑賞でWATARIDORIを観て来ました。以前から観たかった映画で期待していました。まず観終わって思っX事は、次から次と出てくる野鳥たちに野鳥図鑑がほしいな!自慢ではありませんが、野鳥好きの私は鳥の種類、そして飛んで行く場所等からその季節を知ることが出来、十分映画を楽しめました。でも野鳥に詳しくない人には、映画の出足が少し退屈ではないかな?なんて思いました。また映画の断面から作者からのメッセージ「鳥たちは空を自由に飛べ、国境がなく、地球という一つの空間を共有している。何とすばらしい事だ、全世界の人々に見てもらいたい。」は分かるが、何故かその事がピントこない。それはあまりにも多くの種類の野鳥(水鳥)が次々と出てくる為か、それとも色んな場所が出てくる為か。一つの種類の鳥、一つの渡りのルート、そしてその場所で出会う人々など凝縮した内容で描けば面白かったと思いました。また欲を言えば、ナレーションも日本語で字幕がなければ、もっと映画に集中出来たと思いました。それにしても鳥を飛ぶ姿を間近で観られ、感激しました。

 

★ビデオで「黄泉がえり」を観る! 200442

 

 今日、テレビで放映された「黄泉がえり」のビデオを観た。昨年公開されたもので、その時から観たいと思っていました。物語は、すでに死んだ人が、ある範囲で起きた現象でよみがえるという内容なのです。死にゆく人が無念を残す以外にも、残された家族や友人にもその思いは同じなんだなあと思いました。なかなかジーンと来る映画でした。

 

★月に一回の映画観賞「めぐりあう時間たち」 2004324

 

 昨夜、月に一回の映画鑑賞に行ってきました。題名は「めぐりあう時間たち」2002年アメリカです。時代が違う三人の女性の一日の出来事を描いた作品で、一人は1923年ロンドン郊外で「ダロウェイ夫人」を執筆中の作家ヴァージニア・ウルフ、二人目は1951年アメリカ・ロサンゼルスで「ダロウェイ夫人」を読む妊娠した主婦のローラ、そして三人目はアメリカ・ニューヨークの「ダロウェイ夫人」と同じ名前を持つ編集者クラリッサ、それぞれの違った目的のパーティが開かれようとしているその日、それぞれの悩み、誰のために人生か、自分のため、愛する人のため、家族のためと・・・。そんな彼女たちにも時間を越えたつながりがあったのです。そして一人目の女性、ヴァージニア・ウルフは、実在した人物だったのです。そのことは映画の最初のシーンと最後のシーンで描かれていました。時代を超えた三人ですが、何かめぐりあわせというものがあるんだと感じました。

 

★ビデオで「たそがれ清兵衛」を観る 2004313

 

 以前から観たかった映画「たそがれ清兵衛」で、先日放映されたテレビを録画したものです。山田洋二監督の初の時代劇だったのですが、正に今の時代と置き換えてもいい内容で心に残る名作でした。妻を亡くし、男手で二人の娘を育て、老いた母の世話をする下級武士の清兵衛の姿に何か共感する思いです。人に何と言われようとも自分の信念を通す父親として姿、幼馴染の女性に引かれる男としての姿、そして武士としての姿、そんな清兵衛の生き様に惹かれました。

 

★月に一回の映画観賞「ノー・マンズ・ランド」 2004222

 

 今月の映画は、ボスニア紛争を背景にした「ノー・マンズ・ランド」です。この映画を観た後、何故かやるせない気持ちにならざるえない。1993年のボスニア紛争のボスニアとセルビアの中間地帯(ノー・マンズ・ランド)での物語なのです。敵対する二人の兵士が中間地点の塹壕に取り残されることから物語が始まります。両軍に挟まれたこの地から出ればどちらかの軍からも攻撃される。そんな二人も幾たびか心を通わせる瞬間が訪れる、この紛争を解決するための国連軍の無力さ、スクープを追い求めるマスコミの無責任さ、そして訪れる最悪の悲劇。何のためにこの戦争が始まったのか、その理由も分からない二人の兵士、あまりにも悲しい。

 

★月に一回の映画観賞「酔っぱらった馬の時間」 2004121

 

 今日は久しぶりの映画鑑賞。もちろん映画サークルの例会で映画「酔っぱらった馬の時間」という、ちょっと変わった題名の映画を観ました。世界で最も知られたクルド人監督は、ユルマズ・ギュネイです。「群れ」「路」などの作品があります。そんなクルド人監督の一人、バフマン・ゴバディの作品が「酔っぱらった馬に時間」です。この作品は、カンヌ国際映画祭でカメラドール新人監督賞を受賞した映画でもあります。
 この題名の由来は、映画の半ばでやっとわかった。密輸の仕事をする時に使うロバに無理やり酒を飲ますところから・・・。また映画は、国家を持たない世界最大の少数民族クルド族を描いたものでした。そして主人公たちが住む所はイランとイラクの国境近くで、彼らの主な収入源はイランからイラクへ密輸なのです。でもそこには雪を頂く山々が広がり、そこをロバに荷を乗せ越えるのです。ロバに酒を飲ませるのはそれほど環境が厳しいから、もちろん人間にも・・・。そして主人公子供たちの健気に生きる姿には胸を締め付けられる思いです。

 

2003

 

★月に一回の映画観賞「ラスト・プレゼント」 2003128

 

 久しぶりの映画鑑賞です。先月は映画が観られずイライラ。今日は韓国映画の「ラスト・プレゼント」を観ました。笑い、涙、そして感動となかなかいい映画でした。題名からも分かるようにラブストーリです。
 内容は売れない芸人の夫と病の妻の話です。両親の反対を押し切って結婚した二人、そんな二人も最愛の息子を亡くし、お互いにぎこちなくなる。でもひょんなことから妻に不治の病が・・・。そんな時夫は妻を元気ずけようと妻の初恋の相手を探す。妻は自分が死んだ時何も出来ない夫のために、彼の夢(一流の芸人)のために自分の体を押して奮闘する。でも二人はなかなか素直になれない。やがて夫は自分が妻の初恋の相手だと知る。そして妻を励ますために芸人の登竜門(お笑い王)に出場し勝ち進んでいく。そう、これが夫から妻への最後で最高の贈り物「ラスト・プレゼント」・・・。

 

★古い映画日記 パートW 「イントレランス」 2003118

 

 イントレランス1989313日に大阪城ホールで公開されえ映画です。この作品は、1916年映画の父と呼ばれるD.W.グリフィスによって作られたサイレンス映画で、現代と異なる四編{現代編}{ユダヤ編}{中世フランス編}{パビロン編}を交互に入り混じらせて同時進行させる斬新なものでした。そしてその後世界各地に散らばったフィルムを集めて復元し、その当時使われた音楽の譜面をもとに、交響楽団の伴奏ととに公開されたものでした。この映画は、公開された当時あまりにも斬新すぎて評価が低かったみたいですが、クローズアップ、カットカットの編集、膨大なオープンセット、自然光の取り入れ方、カメラワークと驚かされるものでした。またこの映画には純粋可憐な乙女で大スターへの道を歩んでいたリリアン・ギッシュが出ていたのも注目されました。折りしも彼女は、この年に公開された「八月の鯨」に当時90歳で主役の一人として出演していたので、より印象に残りました。またこの時映画とは総合芸術だと痛感しました。

 

★月に一回の映画観賞110901 セブテンバー11 20031016

 

 月に一回の京都映サの映画を観に行きました。今回は世界に衝撃を与えたニューヨーク「9・11事件」を題材にした世界の監督11人によるオムニバス形式の映画11'09"01」セプテンバー11でした。イラン、フランス、エジプト、ボスニア、ブルキナファン、イギリス、メキシコ、イスラエル、インド、アメリカ、日本の監督によって、それぞれの国の事情、考え方、表現方法の違いなど10分前後の作品によって構成されていました。その表現法はさまざまで、シリアスなもの、コミカルなもの、哀愁漂うものなど、一つのテーマのもとに描かれていて、堪能した。

 

★古い映画日記 パートV  20031011

 

 前回と同じく1988年、もう一つ印象に残る映画「異人たちの夏」との出会いもあった。皆さんもご存知の大林宣彦監督の作品です。とても幻想的で、あの名作「雨月物語」に似た不思議な映画で、とても暖かい印象を受けました。シナリオライターである主人公(風間盛男)が、生まれ育った浅草である夏に不思議で怖い体験「すでに亡くなった父親(片岡鶴太郎)や母親に会うという」の話です。でもその背景には、都会人の孤独感や他人から受けるやさしさへの憧れがある様に思いました。それは彼が住むマンションと亡くなった両親と会う浅草という場所の対比からもうかがわれました。大林作品は、それまでも1982「転校生」1983「時をかける少女」1985「さびしんぼう」を観てましたが、共通する事はどの作品からも人への優しさが感じられました。その後も好んで大林作品を見続け、どっぷり大林ワールドに浸ったものでした。

 

★古い映画日記 パートU  2003927

 

 前回お話した「芙蓉鎮」を観た1988年に、私はあるアニメーション映画と出会った。この年大ヒットした「となりのトトロ」である。最初は何気なく子供たちを連れて観に行った映画でした。でもその実写とも見間違うほど優れた映像に思わず感嘆した。それまで観たアニメーションとは明らかに違っていた。大人から子供まで幅広く観られる映画でした。またこの年、この映画の監督である宮崎駿ともお会いする事も出来、より強く思い出に残る年でした。この時3歳であった息子も今は18歳、彼は今でもスタジオ・ジブリの作品を見続けているから、その影響はすごい!余談ですが、私はこの時同時公開された「火垂るの墓 ほたるのはか」の方がすごく印象に残りました。ただ観ていて辛くなる映画ですが・・・。(T_T)

 

★映画の二本立てだ!    2003925

 

 毎月の京都映画サークルの例会(映画上映)で1999年フランス映画「うつくしい人生」を観る。平凡な生活が面白くないある若者が、不況、狂牛病、父の自殺などで、そんな平凡な生活がもろくも崩れていき、自分を見失ってしまう。そんな時祖父の言葉を思い出す。「日の出はすばらしい、何処の国でも日の出は同じだ。」人生はやり直せるのだと気が付く。そしてその先には、きっとうつくしい人生があるのだと・・・!美しい映像と単調なリズムの映画だが、何か見る者に訴えるものがある作品だった。この作品のカメラマンが日本人だったからかも。
 自宅の戻ってからテレビでしていた1986年アメリカ映画「プラトーン」を観た。あまりテレビで映画を観ないが、以前観た事もあり、思わずノリデ観てしまった。ご存知泥沼化したベトナム戦争を描いた問題作品だ。17年たった今観ても、その映像はすごい!本当の戦争とは?人間とはもろいものと考えずにはいられない。

 

★古い映画日記 パートT  2003923

 

 今日、部屋を片付けていると、15年前の「映画日記」が出てきた。懐かしい映画の題名が、「芙蓉鎮 ふようちん」1988年に公開された中国映画で、私が初めて観た中国映画でもあった。この年公開された「ラストエンペラー」は、イタリア・中国合作であったからだ。中国現代史を見事に描きながら、2人の女性の波乱万丈な人生を描いた作品でした。長編映画ながらひと時もスクリーンから目を離すことなく見続けられた。映画の中に吸い込まれる様に・・・。また字幕を読む事にも不思議に気にならなかった。これ以来多くの中国映画を観た。この年の私の年間ベスト作品は、洋画「芙蓉鎮」「ワールドアパート」「ラストエンペラー」「遠い夜明け」「マカロニ」、邦画TOMORROW 明日」「火垂るの墓」「となりのトトロ」「異人たちの夏」「童謡物語」「ゴンドラ」以上。アニメ映画ジブリの年でもあった。

 

★映画を観る大切さ!     200395

 

 今日は、本来の「映画感想」から外れます。映画を観る時、スクリーンで観るか?ビデオで観るか?です。忙しい世の中で、なかなか映画館へ足を運ぶのは大変です。また映画が上映されると同時にビデオ・DVDが発売されるなど、益々映画館で映画を観る機会が少なくなったと思いませんか?ただごく一部の映画が大ヒットし、多くの人が映画館へ足を運んでいるのも事実です。でもその中で「いい映画」が埋もれていまっているのも事実です。以前私が通っていた小さな映画館は減って、コンビにのような幾つもスクリーンを持った大型の映画館が増えて来ました。そんな訳で私も映画館から足が遠いています。今はひたすら近くの会館で毎月上映される映画を観に行っています。

 

★最近観た映画「戦場のピアニスト」「ホタル」 200395

 

8月22日「戦場のピアニスト」
 戦争の悲惨さを痛感した。ラストシーンのピアノの演奏と共にこれまでの残酷なシーンが脳裏をかすめた。ピアノ演奏が素晴らしいだけに・・・。
8月26日「ホタル」
 激動の時代を生きた人々、彼らにとって戦争とは?後世の人々に戦争の悲惨さを伝える難しさ、大切さ・・・。

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